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途上国コロナ対策に生きた経験、新たな危機へ備え ~エイズ・結核・マラリアとの闘い20年~ ―グローバルファンドと日本の貢献―

2021年10月6日
途上国コロナ対策に生きた経験、新たな危機へ備え ~エイズ・結核・マラリアとの闘い20年~ ―グローバルファンドと日本の貢献―

オンラインメディアの時事メディカルにグローバルファンドの國井修 戦略・投資・効果局長と外務省国際協力局の原圭一 参事官(地球規模課題担当)の対談記事が掲載されました。

途上国コロナ対策に生きた経験、新たな危機へ備え ~エイズ・結核・マラリアとの闘い20年~ ―グローバルファンドと日本の貢献―

2021/10/6 付 時事メディカル(オンライン)

写真:時事通信社

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の世界的な感染拡大により、各国が感染症の脅威に直面し対応に追われている陰で、エイズ、結核、マラリア対策も新型コロナの大きな影響を受けました。その影響は先月に発表されたグローバルファンドの2021年の成果報告書(2021年9月8日発表)にも顕著に表れています。他方で、これまでのグローバルファンドの支援による、検査システムやサーベイランス、コミュニティの保健人材などが、低・中所得国の感染症対策全般の基盤を作り、各国が迅速に新型コロナと闘う上で大きく貢献したことも明らかになりました。本対談では、グローバルファンドの最新の成果報告書から見える新型コロナが三大感染症対策にもたらした影響の光と影 ―浮かび上がった問題と新型コロナ対応に生きた三大感染症対策の経験― を中心に、日本とグローバルファンドの深い関わり、SDGs、人間の安全保障などの観点から三大感染症との闘いの20年とグローバルファンドと日本の国際貢献について話し合われています。

(対談日は2021年9月13日、司会は伊藤聡子・日本国際交流センター執行理事、グローバルファンド日本委員会事務局長)


◆世界三大感染症 ―エイズ・結核・マラリアとは?

三大感染症と呼ばれる、エイズ、結核、マラリアは、毎年240万人もの命を奪い、人々に様々な障害をもたらしてきました。21世紀に入り、グローバルファンドを初め多くの国際支援の結果、感染拡大の勢いは低下してきていますが、いまだに多くの中・低所得国で主要な死因の一つであり続けています。

エイズについて知る

結核について知る

マラリアについて知る

予防や治療の手段があるにも関わらず、その費用が高いことや社会的・文化的な背景により、貧しい人々や社会的に弱い立場におかれた人々に予防・治療のサービスが届いていません。さらに、多くの人々が感染し健康を害することによる労働力の減少、労働生産性の低下、医療費の増加、教育機会の減少など、経済や社会セクターに甚大な損失をもたらしています。こうした背景から、集中的に対応すべき疾病として、グローバルファンドの支援対象となっています。

Photo credit: Karin Schermbrucker / The Global Fund

また、エイズ、結核、マラリアの三疾病の終息は、国連のSDGs(Sustainable Development Goals, 持続可能な開発目標)の目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」のターゲット3.3(目標3を達成するための細かな目標)に定められており、世界が一体となって取り組むべき目標の一つとして掲げられています。

 

グローバルファンドとは?

世界エイズ・結核・マラリア対策基金(通称:グローバルファンド)はスイス・ジュネーブに本拠地を置く国際機関です。世界で多くの命を奪い、貧しい国の発展を妨げる重大な要因となっているエイズ、結核、マラリア対策のための資金を低・中所得国に提供する機関として2002年に設立しました。グローバルファンドは、官民パートナーシップにより成り立っていることが特徴です。先進国だけではなく、支援を受け入れる国、企業や民間財団、先進国と途上国のNGO、感染症の当事者のグループ、学界、国際機関など多くの組織・人々の協力のもとに運営され、二国間援助機関や国連機関などの感染症対策と補完しながら、連携・協力を行っています。

グローバルファンドについて詳しく知る:組織概要仕組み資金の調達と供与これまでの成果

◆日本とグローバルファンド

日本とグローバルファンドには機関設立から約20年間にわたり、深い関わりがあります。日本が議長国を務めた2000年のG8九州・沖縄サミットで感染症対策が主要議題となり、追加的資金調達の必要性についてG8首脳が確認したことが、グローバルファンド設立の発端となりました。このことから、日本はグローバルファンドの「生みの親」のひとつと称されています。2002年のグローバルファンド設立以来、日本はグローバルファンドの主要ドナーであり、グローバルファンドの理事会に単独議席を持つ5カ国のうちの1つです。政府のみならず、国際協力機構(JICA)などのODA実施機関やNGO、民間企業など、日本の様々なセクターの組織や個人がグローバルファンドにかかわっています。==>> 日本とグローバルファンドについてもっと詳しく知る

グローバルファンドと関わりのある日本人のインタビュー連載「日本人(わたし)とグローバルファンド」も併せてご覧ください。

◆グローバルファンド20周年

グローバルファンドは2022年1月で20周年を迎えます。20周年を記念して、グローバルファンドのウェブサイト内に特設サイトが設置されました。また、YouTubeチャンネルTwitterFacebookにおいても、20周年記念のビデオや各種キャンペーン情報などが配信されています。FGFJウェブサイトやTwitterFacebookにおいても随時グローバルファンドに関連する情報をお届けしていますので、併せてご覧ください。

 

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