医療ジャーナリスト・市川 衛(いちかわ まもる)さんが取材・執筆する連載「#世界の理不尽を減らす」。
最終回となる記事がハフポスト日本版で公開されました。
今回の舞台は、HIV/エイズ対策においてアフリカの“優等生”とまで呼ばれるようになったザンビアです。
かつては“国家存亡の危機”とも言われるほどHIVが広がり、平均寿命が37歳にまで落ち込んだザンビア。しかし国際支援と人々の努力によって、HIV/エイズ治療は大きく前進し、平均寿命は66歳へと回復。2024年には国連が掲げる「95-95-95」の目標達成を宣言しました。
記事の中では、地域に根差して活動するコミュニティ・ヘルス・ワーカー(CHW)の存在、自らもHIV陽性者として支援に取り組む人々の声が紹介されています。

母子感染で生まれながらにHIVを抱えたタオンガさん、妊娠をきっかけに支援活動へ踏み出したエスターさん。それぞれの体験が、数字では伝えきれない現実を教えてくれます。
一方で、不安の影も広がっています。今年1月に発表された米国・トランプ大統領による対外援助の見直し方針によって、ザンビアの感染症対策にも影響が広がっています。HIV/エイズ予防の拠点が閉鎖に追い込まれるなど、HIV/エイズ対策の現場は再び不安に揺れ動いています。これまで積み重ねてきた努力が揺らぎ始めています。
HIV/エイズとともに生きながらコミュニティを支え合い、次の世代へ希望をつなごうとする人々。記事を通じて浮かび上がるのは、「支援は誰のためにあるのか」という問いです。遠く離れた場所で生きる誰かの現実と、その人を支える国際社会の役割について、私たち自身も考えるきっかけになるかもしれません。



