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グローバルファンド 2019年の成果報告書をリリース

2019年9月20日
グローバルファンド 2019年の成果報告書をリリース

本日、グローバルファンドは2019年の成果報告書を公表し、各国政府、多国間機関、二国間パートナー、市民社会グループ、病気と闘う人々、民間組織など、グローバルファンドのパートナーシップを構成する幅広いアクターによる努力の結果、2002年の設立から2018年末までの17年間に3200万人の命を救うことができたと(注)発表しました。

1年間の成果

2018年の1年間、グローバルファンドが資金を供与した主な国々で以下の成果が達成されました。

  • 抗レトロウイルス剤でHIV治療を受けている人数 1890万人
  • 治療を受けたことにより生存し、また母子間感染を回避することができたHIV陽性の母親の人数 71万9000人
  • 結核治療を受けた人数 530万人
  • 多剤耐性結核治療を受けた人数 11万4000人
  • 配布された蚊帳の数 1億3100万張

感染症との闘いに更なる強化の必要性―感染症流行の終息とSDG3の達成に向けて

グローバルファンドが支援する国々では、三大感染症による死亡者数は2002年から40%減少し、疾患別死亡者数では、エイズは56%、結核は22%、マラリアは46%と、それぞれ減少しました。このように大きな成果がある一方で、課題も多くあります。HIV感染率は減少し続けているものの、年間のHIV新規感染者数は170万人と未だ多く、特に若い女性の間での感染が広がっています。結核においては、1000万人以上の新規感染者のうち36%の人が診断や治療を受けておらず「見落とされて」います。そして多剤耐性結核は国際的な健康安全保障に関わる深刻な問題になっています。マラリアでは感染リスクの高い国々での感染ケースの増加、蚊帳に最も使用される殺虫剤への耐性などがあります。これらの課題を乗り越えて、あるべき「軌道」へと戻り、2030年までに三大感染症の流行の終息、そしてSDGの目標 3「すべての人に健康と福祉を」を達成するために、感染症との闘いを強化していく必要があります。

グローバルファンドはエイズ、結核、マラリアに対する取り組みへの支援に加え、三大感染症の流行を終わらせるために必要不可欠となる、強靭で持続可能な保健システム構築も支援する最大の国際機関です。年間10億ドル以上を調達やサプライチェーンの改善、データシステムの強化、保健医療従事者のトレーニング、コミュニティの反応や保健システムの強化、人々が生涯にわたり包括的なケアを受けるための人々中心でより統合された医療サービスの提供に対して投資しています。

 

2019年のグローバルファンドの成果報告書および要旨は以下よりご覧いただけます。

フルレポート 英語

要旨 英語日本語

プレスリリース Global Fund Partnership has Saved 32 Million Lives (September 19, 2019)

注:保健への投資の成果は様々な方法で測定可能ですが、最も重要な尺度は救われた命の数です。グローバルファンドの成果報告に含まれる「命が救われた」数値は、他の技術パートナーが推奨する方法を採用して推計しています。特定の年に特定の国で救われた命の数は、主要な疾病介入が行われなかった場合に発生した死亡者数から実際の死亡者数をひいて算出されています。例えば、治療を受けていない喀痰塗抹陽性の結核患者の70%が死亡すると示す研究がある国において、ある年に1000人の喀痰塗抹陽性の結核患者が治療を受け、登録死亡者数がわずか100人だった場合、この例では治療により600人の命が救われたとみなすことができます。反対に治療がなければ、700人の命が奪われていたことになります。(詳細は成果報告書p.70参照)。

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