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世界結核デー2026 | Yes! We Can End TB | 結核は終わらせることができる

2026年3月24日
世界結核デー2026 | Yes! We Can End TB | 結核は終わらせることができる

3月24日は「世界結核デー」です。

結核は、過去の病気ではありません。
いまもなお、世界で最も多くの命を奪っている感染症のひとつです。
2024年には、約120万人が結核で命を落としました。

結核は空気感染によって広がるため、誰でも感染する可能性があります。
しかし同時に、適切な治療によって完治させることができる病気でもあります。
そして結核は、単なる医療の問題にとどまりません。
偏見や差別、医療へのアクセス、国際的な格差――
社会と深く結びついた、公衆衛生上の大きな課題です。

それでも、私たちは知っています。

結核は、終わらせることができることを。


 

動画「知っているようで、知らない病気」——結核を知る5人が語ること

この動画では、結核を経験した当事者、そして国内外で結核対策に取り組む人々が登場します。

結核にかかった経験を持つReHacQプロデューサーの高橋弘樹さん、加藤誠也結核予防会研究所所長、インドで結核感染の当事者を支援するヒマニ・ヴェルマさん、グローバルファンドのエリウッド・ワンドワロ結核対策部長、そして50年以上にわたり薬剤耐性結核の治療薬の研究開発に取り組む大塚製薬。
それぞれの立場から語られる言葉は、結核が医学的な課題であるだけでなく、偏見や差別、社会的孤立、医療アクセス格差、国際的な連携の必要性といった「私たちの社会のあり方」を問う問題であることを伝えています。

「過去の病気」と思われがちな結核が
いまも確かに存在し、私たちのすぐそばにあること。

そして同時に、正しく向き合えば乗り越えられる課題であること。

この動画が、結核について知り、考えるきっかけになれば幸いです。

動画「知っているようで、知らない病気」——結核を知る5人が語ること


| 結核は今も続く世界的な課題 |

世界では年間1,000万人以上が結核を発症し、120万人以上が命を落としています。すエイズ・マラリアと並ぶ世界三大感染症のひとつでありながら、先進国では「過去の病気」と思われがちです。しかし日本でも毎年約1万人が新たに診断されており、決して遠い国の話ではありません。

| 偏見と無関心が対策を遅らせる |

かつて日本で結核が「国民病」と呼ばれ、死因の第一位だった時代。不治の病として恐れられたその歴史は、社会に根深い偏見と差別を生み出しました。

医療が進歩し、結核が「治る病気」になった今も、そのイメージは簡単には消えません。
しかし、こうした偏見こそが、受診の遅れや治療の中断、社会的孤立を招き、結果として感染を拡大させてしまいます。恐れるべきは病気そのものではなく、誤解と無関心です。正しく知ることが、克服への最初の一歩です。

また、日本では外国出生の結核患者が増加し、新規感染者数の約2割を占めています。しかし、これは「外国籍であること」が問題なのではありません。医療アクセス、言語や制度の壁、不安定な生活環境といった構造的な課題が背景にあります。

重要なのは「誰が感染するか」を問うことではなく、「感染した人が適切な医療にアクセスできるか」という視点です。

| 薬剤耐性結核:治療を続けることの重要性 |

結核は薬を飲み続けることで治る病気ですが、途中で中断すると、主要な治療薬が効かない「薬剤耐性結核」へと進化してしまいます。これは治療が長引くだけでなく、体への負担も大きくなるため、患者さんにとって非常に過酷な状況を招きます。
さらに、この「薬が効かない菌」が広まることは社会全体にとっても大きな脅威となります。
安心して最後まで治療を続けられる仕組みを整えるとともに、耐性菌に打ち勝つための新しい薬の研究開発を止めないことが不可欠です。

| 世界はいま、重要な局面にある |

結核対策はこれまで大きな進歩を遂げてきました。
しかし今、国際的な保健資金の減少傾向や各国の財政的な制約により、結核対策は後退のリスクに晒されています。このままでは、診断されない患者の増加や治療の中断、そして結核による死亡者数の増加につながりかねません。

今、世界は大きな転換点に立っています。

結核を終わらせるためには、各国が主体となって対策を進めることが不可欠です。また、革新的なテクノロジーは、すでに現場を変える原動力となっています。AIを活用した診断支援、より短期間で完結する新しい治療法、医療へのアクセスが難しい地域への移動診療——こうしたイノベーションは、これまで手の届かなかった人々に結核対策を届ける力として実装されています。を持っています。こうしたイノベーションは、これまで支援が届かなかった人々へ対策を届けるための「確かな手段」として、世界各地の現場で活用されています。

しかし、優れた技術があるだけでは十分ではありません。最も重要なのは、それを必要としている人に確実に届ける仕組みを機能させることです。技術と資金、そして政治的な意志が揃ったとき、結核を終わらせることは初めて現実のものとなります。

| 国際協力が未来を変える |

結核は国境を越える感染症です。どの国も、単独で結核を終わらせることはできません。各国政府、国際機関、民間企業、研究機関、そして市民社会が一体となって取り組むことで、はじめて対策は前進します。
グローバルファンドはその中心的な役割を担ってきました。2002年の設立以来、三大感染症(結核・エイズ・マラリア)対策に世界規模で資金を提供し、各国の保健システムの強化を支えています。日本はその創設に深く関わり、設立当初から継続的な支援を行ってきた国のひとつです。日本のグローバルファンドへの貢献は、世界各地での診断・治療・予防につながり、数えきれない命を救ってきました。

世界の結核をなくすことは、日本の結核をなくすことに直結しています。国際的な協力は、遠い国への支援ではなく、私たち自身の健康な未来への投資になりえます。


結核は終わらることができる
Yes! We Can End TB.

結核は防ぐことができる病気であり、治すこともできる病気です。
かつて日本が70年をかけて結核と闘い、低まん延国入りを達成したように、日本でも世界でも、正しい知識と連携、そして持続的な取り組みがあれば、結核を終わらせることができます。
必要なのは、無関心をなくすことです。
正しく知り、偏見を持たず、気になる症状があれば早めに受診すること。
そして、誰もが公平に医療を受けられる社会を築くこと。
その積み重ねが、結核のない未来へとつながります。


 

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