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マラリアと闘う:車いすフェンシング・アスリートのステファニー・ロドリゲスが語ったこと A Chanpion & Changemaker for Malaria

2024年8月13日
マラリアと闘う:車いすフェンシング・アスリートのステファニー・ロドリゲスが語ったこと A Chanpion & Changemaker for Malaria

2019年に脳マラリアに罹ってからというもの、彼女の人生は一変した。

長くつらい闘病を経て、アスリートへの道を歩んできたステファニー。車いすフェンシングの国際大会で優勝するなどの実績を重ねてきました。そして現在、マラリア根絶のためのパートナーシップとその取組みについて、積極的に発言しています。

ステファニーは、グローバルファンドの「チェンジメーカー」です。

 

自己紹介をお願いします。

「CEOであり、母であり、起業家、車いすフェンシングのチャンピオンであり、そして脳マラリアのサバイバーで、両足ともにバイオニック義足です。

2019年9月、出張先のナイジェリアで脳マラリアに罹りました。ある晩、足首3ヵ所を蚊に刺されたのです。翌日オーストラリアの自宅に戻ってから2週間後、救急車で病院に運ばれました。

脳マラリアは急速に重症化し死をもたらします。あっという間に全身に広がり、それから2週間、生死の境をさまよいました。

昏睡状態から目覚めると、全身が麻痺していました。後になって家族や友人から「あと5分ももたない、もう目覚めることはないでしょう。お別れをして下さい」そう医師に宣告されたと聞きました。

一命は取り留めたもののダメージは大きいものでした。新型コロナウイルス感染症の流行ピーク時に1年半の入院、47回の手術を含め、回復するまでに実に4年を要しました。2021年には、両足を失うことになりました。

マラリアの破壊力を身をもって知った今、この恐ろしい致命的な病の根絶に全力を尽くしたい思いから、私の経験を言葉にして発信しています」

 

罹患するマラリアについてどのような知識を持っていましたか?

「東南アジア、アフリカ、中南米などの熱帯地域の病気だと思っていました。蚊を媒介して感染することは知っていましたが、人類にとって最大の脅威のひとつであり、容赦ないサイレントキラーであるとの認識はありませんでした。

その後、マラリアには適応性があり、気候変動に伴いマラリアを媒介する蚊の生息地は拡大し続けていることを知りました。

1分に子ども1人が亡くなっている、妊婦の感染比率が極端に高い、ということもです。

まず最初に、マラリアという病が社会的課題であるということ、現状が世界にとっていかに深刻かを理解すること、がマラリアを知る最初の一歩です。

今や米国にも、フランスにも、マラリアの患者はいます。地球はひとつであり、つながっています。予防可能な病でありながら、さらに多くの犠牲者を出してしまう。今、マラリアを抑え込むことが重要です」

 

どのようにしてグローバルファンドを知りましたか。なぜグローバルファンドの活動に参加しようと思われたのでしょうか。

「2019年に昏睡から覚めた時、そばについてくれていた息子にこう伝えました。「これからどうあなたを育てていけばいいいのかわからない。自分がどうなっていくのかもわからない」と。すると、息子は私を見て「お母さん、人生は10%が与えられたもので、90%は自分がどうしていくかだよ」とそう言ったのです。それが行動を起こすきっかけでした。

この寄生虫に打ち勝つ。それができた時、私自身にとって最高の人生になる、残された日々を賢明に使ったことになる、と思いました。

同じ年、私は自分の目標を立てました。2025年までに10億の人々のために現状を変えるために行動する、という誓いです。私の世界が止まってしまった過去4年間は、いわば待機状態でした。ですから文字通り、比喩にもなりますが、ついに自分の足で立ち上がって、私を昏睡状態に陥れた病気と闘いたいと思いました。

グローバルファンドの取組みは、マラリアとの闘いにおいて最も強力に、そして多大な効果を上げています。世界のマラリア対策の資金の大半をグローバルファンドが調達しています。

 

グローバルファンドの使命でもあるマラリアの根絶へ、私ができることとして、日々マラリアと闘っている人々に寄り添った声を出していきたいのです」

 

チェンジメーカーの一人であることをどう考えていますか。

「私はチャンピオンだと自負しています。チャンピオンは変化をもたらすことができます。

私の経験や立場、声、そしてアスリートとしての能力は、対話を生み、課題に焦点を当て、時には注意を喚起し、変化をもたらす一助になると考えています。

私の役割は、グローバルファンドからの社会への呼びかけを増幅させることです。マラリアとの闘いに変化をもたらすことのできる対策には投資が必要だ、という呼びかけです。

私の話や声が政府や支援機関、民間パートナーの心を動かし、グローバルファンドの支援につながる。マラリアを終息させたい。それがサバイバーとしての私の願いです」

 

 

 

 

(JCIE/グローバルファンド日本委員会による抄訳)

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