「ルサカ・アジェンダと援助協調の現状と課題」
長崎大学客員教授 小松 隆一
グローバルファンド日本委員会では、このほどFGFJ Issue Brief/論点解説の発行を開始いたします。創刊号は、グローバルファンドをめぐる援助協調における最新動向について「ルサカ・アジェンダと援助協調の現状と課題」と題した論説を長崎大学客員教授の小松隆一氏に執筆いただきました。
同氏は2005年から2023年までグローバルファンドに勤務し、成果測定や技術機関との協調などを主導、技術評価委員会事務局長として多くの評価を実施されました。ルサカ・アジェンダの提言を生み出した「GHIsの未来」(Future of Global Health Initiative)の議論プロセスにおいても、2つの作業部会に参画した唯一の日本人専門家です。
近年グローバルヘルス・イニシアティブス(GHIs)と呼ばれるようになったグローバルファンド、Gavi、GFF、Unitaid、CEPI、FINDなどの官民連携基金が、今後どうユニバーサル・ヘルス・カバレッジとプライマリーヘルスケアを実現していくのか、ルサカ・アジェンダ策定に至る背景、提言の内容と意義、変革への期待をまとめた論考です。ルサカアジェンダの動きに対し、日本が関与・貢献すべき分野として、グローバル・レベルでの解決策の主導、今後の先駆例となる国での二国間援助としての関与、医療関連技術での研究開発の加速化の3つを提起しています。
国際保健における多国間援助の最新動向と日本が今後どのように戦略的に関わっていくべきかを紐解く論説となっています。ぜひ、ご一読ください。
FGFJ Issue Brief /論点解説とは:
FGFJ Issue Brief は、日本におけるグローバルヘルス政策上の優先課題を毎回一つ取り上げ、その視点から、グローバルファンドによる支援の仕組・成果や将来展望を専門家が解説するシリーズです。幅広いコンテキストの中でグローバルファンドの位置づけや意義、課題を論じることで、政策立案関係者や専門家による議論を活性化することを目的としています。