An initiative by
JCIE ロゴ
Search
Close this search box.
フォローする:

世界銀行とグローバルファンド:気候変動 x 健康分野で協力強化

2023年11月23日
世界銀行とグローバルファンド:気候変動 x 健康分野で協力強化

2023年11月22日、グローバルファンドと世界銀行は、低・中所得国が直面する気候変動による健康への影響に対応するため、両者が協力して保健システム強化に取り組む覚書を発表しました。

具体的には、プライマリー・ヘルスケア・サービスへのアクセス改善、 低・中所得国の国内の保健資金増加の働きかけ、公共財政管理の改善、共同投資やブレンデッド・ファイナンス、保健医療用品の現地生産・調達の強化などで協力することが含まれています。

World Bank and Global Fund: Stronger Collaboration to Tackle the Impact of Climate Change on Health
Nov. 22, 2023


仮訳

世界銀行とグローバルファンド: 気候変動が健康に及ぼす影響と闘うための協力関係の強化

2023年11月22日  ワシントン-  世界銀行と世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)は本日、両組織がどのように協力し、グローバルサウスの保健システムを強化していくかをまとめた新たな覚書に署名した。その目的は、気候変動に直面する中で保健アウトカムを改善するための資金が、より効率的、効果的かつ持続可能になるよう支援することである。最新の推計によると、世界人口の半数以上が、必要不可欠なすべての保健サービスを受けられる状態にはなく、気候危機は、効果的なサービスへの需要―特に最も脆弱な人々のための需要―を増大させるだけである。

世界銀行のアジャイ・バンガ総裁は、「気温の上昇によって感染症のパターンが変化し、パンデミックの温床となっている間は、公衆衛生を十分に進展させることはできません」「私たちの唯一の選択肢は、積極的に、同時に、包括的に対応することです。グローバルファンドとのパートナーシップは、パートナーを募り、インパクトをもたらすために必要な連合を構築する我々の努力の新たな一歩です」と述べている。

具体的には、両組織は気候変動と健康の優先課題に関して協力し、最も脆弱な人々のためのプライマリー・ヘルスケア・サービスへのアクセス改善など、より強固な保健システムを通じて、マラリア、エイズ、結核の負担を軽減する。世界銀行は、気候変動により2030年までに1億3200万人が極度の貧困に陥る可能性があると推定しているが、その三分の一は気候関連の保健リスクに起因するもので、最も貧しく脆弱な人々に偏って影響がでる。

「エイズ、結核、マラリアの終息という目標を達成するためには、これらの病気と闘う努力を倍加させなければなりません。気候変動の影響に耐えうる保健システムを構築するための投資も、その一つです」と、グローバルファンドのピーター・サンズ事務局長は述べた。「マラリアは、気候が健康に与える影響をいち早く示すトレーサーであり、私達は集中的な介入と強力なパートナーシップで、気候変動が健康に悪影響を及ぼすこと止めなければなりません」。

もう一つ重要なことは、両組織が、保健のための資金を増やすよう各国に働きかけ、また、エイズ、結核、マラリアを含む保健システム全体でより効率的で持続可能な保健財政のために国の能力を構築するよう提唱することである。その目標は、各国の公共財政管理の改善などを通じて、必ずしも潤沢ではない国内資金および国際支援による保健医療の資金をより有効に活用することである。両組織はまた、共同投資やブレンデッド・ファイナンスを含む様々な手段を活用し、共同投資で協力する。

さらにもう一つの共同重点分野は、医薬品や医療機器を含む保健医療用品の(現地での)地域的な生産・調達の強化である。必須保健医療用品へのアクセスは、災害への備えと強固で強靭な保健システムを確保するために必要である。両組織は、アフリカと低・中所得国における持続可能な製造を支援することで、保健サプライチェーンの地域化を支援する。

2017年以来、世界銀行とグローバルファンドはブレンデッド・ファイナンス取引による投資で多くの国々を支援してきた。例えば、インドでは世界銀行のインド向けの融資をグローバルファンドが買い取ること(ローンバイダウン)により、結核のケアと予防のための資金を増やすことができた。インドネシアでは、革新的なバイダウンが、結核患者の発見率の向上、治療範囲の改善、プライマリ・ケアにインセンティブを与えるための医療提供者への支払い改革に結びついた。ハイチでは、両者共同での財政支援によってプライマリー・ヘルスケア・サービスの利用が増加し、疾病サーベイランスが強化された。ガンビアでは、直接的な共同財政支援によってエイズと結核の保健システム強化が支援された。

(グローバルファンド日本委員会による参考仮訳。英文本文を正文とする)

————————————-

[参考]世界銀行とグローバルファンドの協働については以下をご覧ください。

◆ Lessons learned from joint financing of health systems strengthening in low- and middle-income countries
Sustainable Financing for Health Accelerator (SFHA)
28 September 2023

Lao PDR aims to achieve universal health coverage with new Global Fund, Government of Australia and World Bank investment 
18 November 2020
オスのUHC達成に向け、グローバルファンドは世界銀行、豪州との共同投資を開始

World Bank and Global Fund Deepen Partnership with Co-Financing Agreement
22 October 2019

 

月別のアーカイブ