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グローバルファンドのサンズ事務局長 ダボス会議にて結核ワクチン開発への期待を表明

2023年1月31日
グローバルファンドのサンズ事務局長 ダボス会議にて結核ワクチン開発への期待を表明
WEF2023結核ハイレベルパネル
High Level Panel: Ending tuberculosis: how do we get there? (World Economic Forum 2023)

世界経済フォーラムにて 結核ワクチン開発について討議

1月17日、世界経済フォーラム(ダボス会議)にて、結核に関するハイレベル・パネル「Ending tuberculosis: how do we get there?」(結核の収束:どうやって達成するのか)が開催され、結核を収束させるための方策、特に、結核ワクチン開発の加速化が議論されました。2021年の1年間に、世界で1000万人が結核を患い、160万人が結核のために死亡しています。新型コロナウイルス感染症で短期間に有効なワクチンが開発されたように、結核でも効果的なワクチンが導入されれば、予防はもちろんのこと、結核を根絶する可能性さえ秘めています。しかしながら、結核は100年以上新しいワクチンが開発されていません。現在少なくとも16の結核ワクチン候補があり、期待が高まっています。どのようなメカニズムがあれば、安全で効果的な結核ワクチンの開発と供給を加速化できるか、ワシントンポストのサリー・バズビー氏の司会で議論が行われました。

グローバルファンドのピーター・サンズ事務局長は、世界保健機関(WHO)テドロス事務局長、ウェルカム・トラストのファーラー卿、インドのマンダビヤ保健大臣、フィリピンのアロヨ議員とともに登壇し、ワクチンなどの新ツールの重要性、そして結核を収束させるという政治的意思(political will)が必要であることを強調しました。また、戦後の日本の結核対策を例に取り上げ、当時最大の死因で国民病であった結核に対し、政府が大規模な対策を進めたことが日本の国民皆保険が実現する基盤を作ったことを紹介し、将来のパンデミックに備えて仮想の病原体との闘い方を論じるのではなく、今目の前にある感染症―特に結核への対策(検査体制、コミュニティシステム、治療など)を強化することが、将来の感染症危機、特に新たな呼吸器感染症の危機への備えになると提起しました。

WHOのテドロス事務局長は、このパネルで、新たに「結核ワクチン促進協議会」を設立する計画を発表しました。結核ワクチン開発における障壁を特定し克服するために、資金提供者、国際機関、政府、エンドユーザー間の連携を促進し、効果的な新しい結核ワクチンのライセンスと利用を促進することを目的としています。

セッションの動画はこちらからご覧いただけます。
Ending tuberculosis: how do we get there?(43分)

結核についての詳細

グローバルファンドの結核支援について

ファンディング

  • 低・中所得国の結核対策への国際支援の76%はグローバルファンドによるものです。
  • グローバルファンドは、設立以来、低・中所得国における結核の予防と治療に累積で85億ドルを支援しています(2022年6月現在)

予防

  • 結核患者と接触があり、予防療法を受けた人の数:39万5000人(2021年1年間の成果)

検査と治療

  • 結核治療を受けた人数:530万人(同上)
  • 薬剤耐性結核の治療を受けている人数:11万人(同上)
  • 抗HIV治療を受けているHIV陽性の結核患者で結核治療を受けた人:28万3000人(同上)

詳細はグローバルファンドのウェブサイトをご覧ください。https://www.theglobalfund.org/en/tuberculosis/

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