2011年4月26日から5月6日まで、下記のメンバーから構成される視察団がエチオピアとセネガルを訪問し、世界基金が支援している活動を視察しました。
山本 正 世界基金支援日本委員会ディレクター、日本国際交流センター理事長
武見 敬三 日本国際交流センターシニア・フェロー
高須 幸雄 国連事務総長特別顧問、外務省参与・人間の安全保障担当大使
神馬 征峰 東京大学大学院国際地域保健学教授
勝間 靖 早稲田大学国際学術院教授、グローバル・ヘルス研究所所長
この視察は、日本国際交流センターが2007年より実施している人間の安全保障の理念に基づくヘルス・ディプロマシーを推進する事業の一環として組織されたもので、世界基金が支援する三大感染症対策が両国の保健システム全体の強化にどう繋がっているのか、コミュニティの多様なニーズにどう柔軟に対応しているのか理解することを目的としました。
エチオピアでは、世界基金と国連児童基金(UNICEF)が支援している保健普及員(ヘルス・エクステンション・ワーカー)に焦点を当て、中央政府から州(アムハラ)、コミュニティ(ヘルス・ポスト、家庭)まで訪問し、中央の政策とコミュニティにおける三大感染症対策や出産・妊産婦ケアなどの医療・ケアの提供体制について理解を深めました。
保健普及員は、各家庭を訪問し、健康的な生活様式の普及、感染症や病気の検査、より専門的な治療を必要とする人を診療所に紹介、家族計画についてのカウンセリングや保健施設での安全なお産の奨励など、地域の人々の健康維持に重要な役割を果たしています。
また、一行は、世界基金理事会議長を務めるテドロス・アドハノム・ゲブレイェスス保健大臣やジャン・ピン アフリカ連合(AU)委員長やラマタネ・ラマムラAU平和安全保障担当委員とも懇談しました。
セネガルでは、ダカール郊外の青少年エイズ・アドバイス・センター、HIV陽性者を含む母子のためのデイ・ケア・サポート施設、マラリアの治療を提供しているヘルス・ポストを視察したほか、セネガルの世界基金国別調整メカニズムの委員長及び副委員長を含むメンバー及び事務局員と懇談しました。
5月2-3日には、第3回アフリカ開発会議(TICAD)閣僚級フォローアップ会合サテライト・セミナー「アフリカにおける健康と人間の安全保障」を日本国際交流センター、アフリカ高等経営研究所(CESAG)、国際協力機構(JICA)との共催で実施しました。