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グローバルファンドが第45回理事会を終了 〜新型コロナ禍における現状報告と分析、 次の3ヵ年に向けた戦略について議論

2021年5月13日
グローバルファンドが第45回理事会を終了 〜新型コロナ禍における現状報告と分析、 次の3ヵ年に向けた戦略について議論

グローバルファンドは、2021年5月11-12日に理事会を開催し、新型コロナ禍における活動の現状と分析結果を報告するとともに、今後に向けた戦略の方向性について活発な議論を行いました。

  • ピーター・サンズ事務局長は報告の中で、
    • 承認された資金総額が、前回の3ヵ年における同時期の資金総額を大きく上回っていること
    • 2021年4月末現在、技術審査委員会(TRP)が、国別割り当て総額127億米ドルのうち、約117億米ドルの助成金要請を承認していること、
    • TRPが各国からの申請書のうち89%を「良い」または「非常に良い」と評価したこと、特に、人権やジェンダーなどの重要分野で高い評価を受ける申請が増えていること、
    • 事務局が、リモートワークや、その中でのパンデミック対応という課題にもかかわらず、極めて高い水準を維持して運営されていること、などを強調しました。

 

また、今年、グローバルファンドのオンライン調達プラットフォームWamboおよび共同調達メカニズム(PPM)を通じて行われたエイズ、結核、マラリア対策製品の調達額は総額約10億ドルにのぼり、昨年の同時期に比べて約30%増加したこと、2020年3月以降、新型コロナに対する各国の対応を支援するために10億ドル以上が承認されていることなども示されました。

各委員会による報告では、新型コロナ禍において一定の進捗が確保されていること、その中で新たなリスクの出現をどう分析し対処するかの方策、パンデミック下での組織運営と今後に向けた課題、次の3ヵ年に向けた戦略の柱となる考え方、などについて議論が行われました。

第7次増資に向けた戦略づくりの中で改めて脚光を浴びたのが、人権やジェンダー、コミュニティ強化といった、各国主導・当事者主導の対策を推進してきた、グローバルファンドならではの強みです。2020年末時点で、コミュニティシステム強化および回復力のある持続可能な保健システム構築(RSSH)に向けた予算が145%も増加し、エイズ分野での人権に関連する資金は66%増加しました。また、思春期の少女や若い女性に焦点を当てた事務局の資源も倍増しています。

こうした成果とその意義を確認し、また今後の感染症対策においてもこれらが必須であることを理事会として改めて共有することで、今後、7月の臨時理事会、11月の第46回理事会での3ヵ年戦略の議論に向けて、確実な道筋をつけました。

ピーター・サンズ事務局長は「グローバルファンドは、パンデミックに対応するためのメカニズムとして設立され、パンデミックに効果的に対応する方法について多くの教訓を得てきました。しかし、新型コロナウイルス感染症は、3つの感染症すべてにおいて対策を後退させています。私たちは、他の疾病の脅威から、支援対象となっている地域や人びとを守ることの重みについて、改めて真剣に考える必要があります」と述べました。
グローバルファンドの理事会は、パートナーシップによる運営を掲げるグローバルファンドの特長を反映し、ドナーだけではなく、実施国政府や市民社会、当事者代表や民間セクターなどが参画し、様々な立場から活発な議論が行われます。日本はグローバルファンドの創設以来、単独理事として参画しています。
本理事会に関するグローバルファンドのプレスリリース(英語)
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