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16年ぶりのダーバン国際会議 エイズとの闘いで何が変わったか?

2016年7月22日
16年ぶりのダーバン国際会議 エイズとの闘いで何が変わったか?

7月18日~22日に、南アフリカ・ダーバンで国際エイズ会議(AIDS 2016)が開催されています。エイズの流行を終わらせるために、180カ国から1万8000人の関係者が集まり、組織や分野を超えてエイズ対策や協力について話し合いが行われています。

グローバルファンドはこの会議に先立ち、最新の支援成果を発表するとともにに、2000年に開かれた歴史的なダーバンのエイズ国際会議から16年ぶりに同地で開かれる会議に至る間に、何が変わったを伝えるビデオを公開しました。

治療は77万人から1700万人に拡大

2000年7月、南アフリカ・ターバンで開催された国際エイズ会議は、エイズ対策の大きな転換点となった会議として知られています。当時、アフリカをはじめ途上国でエイズが急速に拡大し、国連安全保障理事会で取り上げられるほどの喫緊の課題となっていました。2000年時点で、世界のHIV感染者は2900万人に達していましたが、そのうちたった77万人しか、抗レトロウィルス治療を受けることができていませんでした。治療費は一人当たり年間10,000ドルもかかり、エイズがまん延するアフリカや途上国の政府や患者にはとても負担できる金額ではありません。また、抗レトロウィルス治療は複雑であるため、保健システムが整っていない途上国へのエイズ治療の導入には専門家の間でも慎重な意見が大半を占めていました。ダーバンに集まった第一線の研究者やアクティビストは、治療薬の価格を下げて先進国と途上国の間のエイズ治療の格差を是正し、途上国へのエイズ治療の導入の必要性を世界に向けて呼びかけました。ダーバンには世界から1000人を超える報道陣が参加し、こうした声を一斉に報道しました。

その1週間後に開催されたのが、日本が議長国となったG8九州沖縄サミットです。サミットでは感染症が議題としてとりあげられ、G8首脳がエイズなどの感染症対策に追加的資金が必要であることを確認し、これがグローバルファンド設立の発端となりました。

それから16年が経ち、国際エイズ会議が再び南アフリカ・ダーバンにやってきました。この間、グローバルファンドや他の国際機関、各国政府、シビル・ソサエティや民間企業、コミュニティの努力で、エイズ治療や予防サービスの提供が格段に進みました。現在、治療費は一人当たり年間100ドル以下となり、世界中で1700万人が抗レトロウィルス治療を受けています。その中、920万人(約54%)はグローバルファンドが支援するプログラムを通じて、治療を受けています。

エイズとの闘いはまだ道半ばです。社会から排除されがちのセックス・ワーカー、同性愛者、トランスジェンダー、薬物使用者などのキーポピュレーションにおけるHIV感染率は依然と高く、治療へのアクセスは限られています。エイズの流行を終わらせるためには、これらの課題も積極的に取り組まなければいけません。

詳細はグローバルファンドのニュースリリースをご覧ください。
Latest Results Show Increase in HIV Treatment
July 13, 2016

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