米国ニューヨークで10月4-5日に開催された世界基金第3次増資会合にて、約30のドナーが世界基金に対する拠出誓約を発表しました。
世界基金では、向こう3年間に途上国の三大感染症対策に必要とされる資金の需要予測に基づき、3年毎に国際社会から増資(追加の拠出・寄付)を募っています。今回は、2011-2013年の3ヵ年の必要資金額に対して拠出を募ったもので、21政府ドナー、5民間ドナーから91億ドルの誓約があり、今後追加が予定されている額もあわせると、増資額は合計117億ドルに達することが発表されました。これにより、世界基金は、途上国が保健関連MDGsを達成するための支援を強化することが可能になります。
今回の増資額は、2007年の前回の第2次増資会合(於ベルリン)で約束された97億ドルより大幅に増え、過去最大規模となりました。日本から、伴野豊外務副大臣による8億ドルの拠出が発表されたほか、米国が初めての複数年度コミットメントとして40億ドルの支援を新しく発表し、また民間セクターでも米石油大手のシェブロンが新たに2500万ドルの寄付を発表しました。また、同じ民間セクターでは、武田薬品が本年3月に発表した2010年から10年にわたる世界基金への寄付も、当初3年分がこの増資に計上されています。
増資会合の議長を務めた潘基文国連事務総長は各ドナーの発表を歓迎し、「いずれの国も緊縮財政を強いられている中での、世界基金へのこうした貢献は強力なメッセージだ。世界の指導者たちが、国境を越えて”正しい”行いをしたいと思っていること、すべての人が健康であることがどれほど重要かを理解していることを示しているといってよいだろう」 と述べました。
しかしながら、途上国の三大感染症対策資金ニーズは依然として大きく、今回の大型増資をもってしても十分ではないのが現状です。事務総長は、革新的な資金源や民間セクターの資金も含めて、さらなる資金調達の努力を呼びかけました。
外務省プレスリリース 2010年10月6日
世界エイズ・結核・マラリア対策基金に対する追加拠出