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史上初の結核に関する国連ハイレベル会合にて政治宣言を採択

2018年10月5日
史上初の結核に関する国連ハイレベル会合にて政治宣言を採択

2018年9月26日、ニューヨークの国連本部にて、史上初の結核に関する国連ハイレベル会合が開催され、各国およびグローバルでの結核対策のスケールアップの必要性を盛り込んだ政治宣言が採択されました。(国連総会採択文書

結核は、世界最大の感染症とされていますが、同時に治療が可能な病気でもあります。世界保健機関は、結核の流行を収束させるために2018年に必要とされる資金を約100億ドルと推定していますが、実際に投入される資金は69億ドルに留まっており、政治的、資金的な誓約が強く求められていました。

政治宣言の主な成果:

  • 2018年から2022年までの5年間で結核患者4000万人(※)に診断と治療を提供(※350万人の小児、150万人の耐性結核患者を含む)
  • 高まん延国を中心に少なくとも3000万人が予防的治療を受けられるようにする
  • 2022年までに結核対策費を少なくとも年間130億ドルにまで増加、結核研究費に20億ドルを投資する
  • 小児結核対策の推進と小児を対象とした結核対策を策定する
  • WHO事務局長にマルチセクター責任枠組みを2019年までに実施するすることを要望
  • 国連事務総長に2020年に進捗を報告し、2022年に包括的レビュー会合を開催することを要望

共同ファシリテーターとして大きな役割を果たした日本

今回のハイレベル会合およびそれに向けた議論の中で浮き彫りになってきたことは、研究開発への投資の重要性、特に多剤耐性結核への迅速な対応の必要性、当事者の人権を重視した対策の効果と重要性、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の果たす役割、官民協力の効果などがあります。日本は共同ファシリテーターとして、対策の様々な段階にある各国からの議論を取りまとめ、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を踏まえた目標設定に貢献しました。また、日本からは本会合に加藤勝信厚生労働大臣(当時)が出席し、日本が自らの戦後の結核対策の成果から学び、UHCの整備と合わせて、引き続き国内外の結核対策に注力することを明言しました。

結核により多くの資金を

結核対策のための資金は、全体では国内資金が86%を占めていますが、一般的にこれは中所得国の話です。低所得国を見れば国内資金はたった43%に過ぎず、残りの57%は国際的な支援に頼っているのが現状です。

本会合に出席したグローバルファンドのピーター・サンズ事務局長は、「2030年までに結核流行を終息させることに真剣に取り組もうとするのであれば、より多くの投資が必要であることは明らかだ。もちろん、様々な技術革新や効率化による成果は期待できるが、現状レベルの資金投入では到底この目標を達成できない。(中略)グローバルファンドは年間約7億ドルの資金を投入しており、これは国際支援の3分の2を占める。これまで以上の国内資金が結核対策に充てられ、さらに継続的な国際支援も得ていくためには、来年開催されるグローバルファンドの増資会合を成功させなければいけない」と現状への強い危機感を示し、各国のさらなるコミットメントを求めました。

本会合の動画は、以下UN web TVよりご覧いただけます。

General Assembly: High-level meeting on the fight against tuberculosis – Opening and Plenary segment 1

General Assembly: High-level meeting on the fight against tuberculosis – Multi-stakeholder Panel 1

General Assembly: High-level meeting on the fight against tuberculosis – Multi-stakeholder Panel 2

General Assembly: High-level meeting on the fight against tuberculosis – Plenary segment 2 and conclusion

 

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