グローバルファンドは、大メコン圏における薬剤耐性マラリアの拡大を防ぐため、この地域に対する包括的な支援(Regional Artemisinin-resistance Initiative 、以下RAI)の第二フェーズを2018年に開始すると発表しました。3年間で約2億4200万ドルを支援するRAI第二フェーズは、グローバルファンドの地域支援としては最大額であり、また、特定の地域における感染症の撲滅を目標に設定した初めての支援となります。
国境を超えた取り込み
グローバルファンドは2013年に、大メコン圏で深刻な問題となっている薬剤耐性マラリア(薬に耐性を持ち、薬が効かないマラリア)を対応するため、国別支援に加え、この地域での包括的な支援RAIを始めました。最初はカンボジアとタイを対象に、その後ミャンマー、ラオス、ベトナムもRAIの対象になりました。これまでに各国がRAIの資金を活用して、殺虫剤処理蚊帳、誰でも使える簡易診断キット、良質な薬などを調達し配布したことにより、マラリアによる死亡数は劇的に減少しました。
第二フェーズのRAIでは、サーベイランス・システム整備と保健ボランティアを支援することで、症例管理を強化します。支援の多くはカンボジア、タイ、ミャンマー、ラオス、ベトナムの五カ国に割り当てられますが、3400万ドルは国境をまたぐ地域的な取り組みに使われ、国境を超えた移動が多い季節労働者や少数民族のマラリア対策を支援します。これらの人々は、マラリアの感染リスクが最も高く、しかも国の保健システムから取り残されがちだからです。
グローバルファンドのRAI担当、イザスクン・ガヴィリア氏は「協調した取り組みやアプローチがこの地域にもたらした成果を目の当たりにしてきました。何ができるか、何が課題かも分かっています。だから、これらの国々が一丸となって、取り組んでいます。これは、薬剤耐性マラリアへの唯一の答えであり、一国でできることではありません」と話しています。
詳細はグローバルファンドのニュースリリースをご覧ください。
New Global Fund Grant Aims for Malaria Elimination in the Mekong
April 25, 2017