安倍首相は本日、グローバルファンドの第5次増資(下記参照)に向けて、新たに8億ドルを拠出することを発表しました。この誓約は、国際社会の共通目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」を達成するための日本の国際貢献の一環として発表されたものであり、これまでに発表された第5次増資に対する誓約では最大額です。
日本円ベースで46%の増加
前回の第4次増資(2014-16年)の誓約と同じく8億ドルとなりますが、円ベースでは46%の増加になります。日本は現在グローバルファンドの第5位のドナー国であり、これまで累計25億2570万ドルを拠出し、途上国のエイズ・結核・マラリア対策や強靭で持続可能な保健システムの構築を支援してきました。第4次および第5次増資での誓約が達成されると、日本の拠出総額は34億6769万ドルに上ります。
揺るぎなき日本の支援に感謝
「日本は、グローバルファンドの設立から資金的・知的両面で揺るぎなき支援国です。」グローバルファンドのマーク・ダイブル事務局長は、日本のこれまでの支援に対し深い謝意を表明しました。「三大感染症の克服と、基本的保健サービスへのアクセスとユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進に対する安倍首相のコミットメントは、まさに国際保健における素晴らしいリーダーシップの象徴です。」
日本とグローバルファンド
2002年に設立されたグローバルファンドは日本と深い関係にあります。日本が議長国を務めた2000年のG8九州・沖縄サミットで感染症対策を主要課題として取り上げたことがグローバルファンド設立のきっかけとなりました。G7伊勢志摩サミットの直前に発表された本拠出は、「生みの親」である日本のグローバルファンドに対する強いコミットメントを示すものとなりました。
増資について
グローバルファンドは、 3年に一度、三大感染症対策に必要な資金額を算定し国際社会に呼びかけて資金を調達しており、これを増資( replenishment) と呼んでいます。2017年から19年にかけての資金を調達するのが第5次増資です。
世界保健機関(WHO)、 国連合同エイズ計画(UNAIDS), Stop TB Partnership 等のパートナー機関による推計では、三大感染症対策の国際目標を達成するために今後3年間で必要な資金(自国予算と海外支援の双方)は970億米ドルとされ、このうち、グローバルファンドは第5次増資として130億ドルの調達を目指しています。グローバルファンドは、この目標が達成できれば800万人の命を救うことができ、最大3億件の新たな感染を回避することができると予測しており、2030年までに三大感染症の流行を終焉させるというSDGsの目標に大きく近づくことができます。
第5次増資会合は今年の9月16日にカナダのモントリオールにて開催される予定です。
詳細は下記ニュースリリースと発表をご覧ください。
グローバルファンドによる日本政府の発表を歓迎するリリース
Japan Increases Commitment to the Global Fund (日本政府 グローバルファンドへの拠出を増やす)
首相官邸(2016年5月20日)
持続可能な開発目標(SDGs)推進本部
外務省報道発表(2016年5月20日)
世界エイズ・結核・マラリア対策基金に対する拠出
日本の市民社会からの声明 (2016年5月20日)
世界エイズ・結核・マラリア対策基金への8億ドルの拠出表明を歓迎 =世界との約束を守り、エイズ・結核・マラリアの克服に向け、切れ目のない支援を=
米国のグローバルファンド委員会のブログ(2016年5月20日)
Japan pledges $800 million to Global Fund’s Fifth Replenishment ahead of G7 Summit