ニューヨークで開催中の国連総会で、日本政府とグローバルファンドによる「ユニバーサル・ヘルスカバレッジへの道筋」と題するサイドイベントが、リベリア、タイ、セネガル、フランス、WHO、世界銀行との共催で開催されました。
各国や国際機関・民間団体の代表が登壇し、3日前に国連で採択された新しい開発目標「持続可能な開発に関する2030アジェンダ」の保健分野の目標を達成するためには、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC: 全ての人々が必要なときに基礎的な保健サービスを負担可能な費用で受けることのできる状態)の達成が必須であること、また、感染症から母子保健、非感染症まで多様な疾患に横断的に取り組む上でのUHCの重要性、グローバルファンドのような資金提供機関が果たす役割が議論されました。
冒頭の基調講演で安倍総理大臣は、2000年のG8九州沖縄サミットがグローバルファンド創設の道筋をつけ、2008年のG8北海道洞爺湖サミットが保健システム強化にG8諸国の合意を生み出したと述べ、来る2016年の伊勢志摩サミットでも、引き続き保健分野で積極的に貢献していく決意を表明しました。その上で、先ごろ策定された日本のグローバルヘルスに関する国際協力の政策「平和と健康のための基本方針」から、2つのポイントー公衆衛生危機に対応するためのグローバル・ヘルス・ガバナンスの強化、危機の時だけではなく平時から様々な課題に対応できる保健システム構築-を強調し、各国や国際機関に相互協力を呼びかけました。
WHOのマーガレット・チャン事務局長はUHCは公平な社会を作るために不可欠のものであると述べ、 日本が戦後の経済社会政策の一環として国民皆保険を導入したことが、社会の連帯と公平性を醸成し経済的繁栄と長寿につながったと指摘しました。
最後に総括発言でグローバルファンドのマーク・ダイブル事務局長は、すべての人がヘルスケアを手の届く費用で受けられるようになれば、極めて多くの人の命が救われるようになるとし、感染症の流行を終息させることはその解決方法のひとつである、と締めくくりました。
・サイドイベントの動画
・外務省による開催概要報告
・グローバルファンドのプレスリリース
Universal Health Coverage Key to Sustainable Development Goals 英語|日本語版