グローバルファンドは9月21日、最新の成果をまとめた成果報告書2015(Results Report 2015) を発表しました。
救われた命の数は1700万人
この報告書では、各国政府、国際機関や企業、シビルソサエティ、感染症の当事者等の協力による三大感染症対策プログラムの結果、グローバルファンドの支援により、2002年1月の創設から2015年1月までの13年間に1700万人の命を救うことができたとの推計が公表されました。
科学技術の進展や、感染症対策を進める上での様々なイノベーション、世界規模での支援拡大の結果、年間に救われる命の数は増えてきており、現在グローバルファンドの支援で1年間に200万人以上の命が救われています。2016年までに2200万人の命を救うという目標も達成できる見込みとなってきました。
グローバルファンドの支援を受けて感染症対策に取り組んできた国では、エイズ・結核・マラリアによる死者の数が三分の一減少しており、グローバルファンドの資金が大きな役割を果たしています。
それぞれの成果
それぞれの感染症では、これまでに以下のような成果が達成されています。
- 抗レトロウィルス治療を受けているHIV感染者 810万人(前年度比22%増)
- HIV検査・カウンセリングを受けた人数 4億2300万人
- 新規に発見され治療を受けた結核患者 1320万人 (前年度比11%増)
- マラリア感染予防のために配布された殺虫剤処理蚊帳 5億4800万張り
支援を受ける国の自助努力を促進
グローバルファンドの仕組みは、支援を受ける国が自国の保健予算により多くの国家予算を割り当てるよう動機づけられており、自助努力を促す触媒の役割を果たしています。特に2014年に新しい資金供与方法が導入されてからその効果が顕著に表れ始めていることが、本報告書で明らかになりました。グローバルファンドの支援を受ける国が2015~17年の間に自国の保健予算に割り当てる金額は、2012~14年の同予算と比べて52%も増加し、合計133億1600万ドルに達しました。その中でも特に低中所得国(low-middle income countries) での予算増加が顕著で、80%増となっています。
保健システムの強化
グローバルファンドが支援するプログラムのインパクトは三大感染症にとどまらず、保健システムの強化にも及んでいます。感染症の流行を終息させるためには、強靭で持続可能な保健システムが不可欠であることから、グローバルファンドが供与する資金の三分の一は、保健医療システムの強化に割り当てられています。
グローバルファンド 成果報告書2015(英文)
The Global Fund Results Report 2015
日本語版の成果報告書は10月末に刊行される予定です。刊行時には、本ウェブサイトで改めてお知らせいたします。