ザンビア北部の町、チペンビ。 58歳のドロシー(写真右)とその家族はかつて、「予防も治療もできる病気」に随分と苦しめられた。 最初に彼女の夫が結核でこの世を去ると、続いて2歳の子どもがマラリアで亡くなった。ドロシー自身はというと、数年寝込んだ後にHIVと診断された。 グローバルファンドの支援によって抗レトロウイルス薬が手に入るようになり、ようやく元気になったドロシーは、HIV陽性者の仲間たちとオーガニック野菜 を育てている。生計を立てるために、そして何より、自分自身の健康のために。
Copyright: The Global Fund/John Rae
Source: The Global Fund, Photo of the Week 2014.Nov.20
“Good Nutrition to Support HIV Treatment Effectiveness”
[解説]
鉱物資源に恵まれ、特に銅は日本の10円玉にも使われていたことがあると聞くと、親近感を覚える方もいらっしゃるかもしれません。
アフリカの中でも比較的平和な国として名前が挙げられるザンビアですが、HIV感染率は12.5%*と決して低くありません。HIV陽性のお母さんから赤ちゃんにHIVが感染するのを防ぐ母子感染予防や、HIVの増殖を防ぐ抗レトロウイルス治療へのアクセスなどにおいて、状況は改善してきているものの、HIV/エイズの広がりは、長きにわたり、この国が抱える課題の一つとなっています。
さて、今週の写真では、HIV陽性者であるドロシーが仲間たちとオーガニック野菜を栽培していることが紹介されています。バランスの取れた食生活は、治療を効果的に続けるためにもとても重要なのです。
偏った食生活で体重が減少したり、必要な栄養素が摂取できないと、体力や免疫力が低下して他の感染症にかかりやすくなったり、生活習慣病のリスクが高まったりするからです。
収入が得られて、かつ自分や家族の健康にも良いオーガニック野菜、一石二鳥以上の得がありそうです。
* UNAIDS, 2013