グローバルファンドでは、1年の半ばと12月にそれまでの支援の成果を発表しています。世界エイズデーの本日、設立から2014年12月までの支援の成果が発表されました。
グローバルファンド プレスリリース
Global Fund Reports Results – 2014 (2014.12.01)
三大指標での成果は以下の通りです。
- エイズ:抗レトロウィルス治療を受けたHIV感染者 730万人
(昨年末からの1年間で約130万人増加しました。20%増となります。) - 結核:新規に発見され治療を受けた結核患者 1230万人
(昨年末からの1年間で110万人増加しました。10%増です。) - マラリア:マラリア感染予防のために配布された殺虫剤処理蚊帳 4億5000万張り
(1年間に約9000万張増え、昨年末比24%増です。)
730万人という数字の背景
グローバルファンドが2002年に設立される前、エイズは貧しい国で急速に感染が拡大し、アフリカの多くの国では国の存亡を脅かすほどの被害をもたらしていました。
先進国ではエイズ治療薬が普及し始めていましたが、貧しく保健インフラの整っていない発展途上国では、高価で難しいエイズ治療は無理だというあきらめに近い声が、専門家の間でさえ多くを占めていました。治療を受けている人はほぼ皆無だったのです。
これを見過ごすわけにはいかないと国際的な社会運動がおこり、国連やG8諸国の政治的なリーダーシップの結果、官民パートナーシップの感染症対策基金としてグローバルファンドが設立され、国際社会の本格的な支援が始まりました。一方で高価だった治療薬の値段が下がり始め、途上国の政府や民間の人々も優先課題として取り組んだ結果、今日730万人という多くの人が治療を受けられるようになったのです。
”2030年までにエイズの流行を終結させる”という国際社会の目標に向けて、グローバルファンドの資金は重要な役割を果たしています。