ロンドン大学衛生熱帯医学大学院学長、前国連合同エイズ計画(UNAIDS)事務局長のピーター・ピオット氏が自身の回想録「ノー・タイム・トゥ・ルーズ―エボラとエイズと国際政治」の出版記念セミナーにあわせて来日した際、海外視聴者向けのNHK Worldのニュース番組「Newsroom Tokyo」に出演しました。
番組中、エボラ・ウイルスの発見者の一人であるピオット氏は昨年に起きたエボラ出血熱の流行について、内戦と独裁政権、貧弱な保健医療システムや現地の習慣・信仰に加え、初期段階における現地政府および国際社会の対応の遅れが流行の拡大につながったと指摘しました。
また、UNAIDSの初代事務局長としてエイズ感染対策に精力的に取り組んできたピオット氏は、エイズは決して解決した過去の問題でなく、今でも多くの人々を苦しめていると強調しました。グローバルファンドの設立に貢献した日本に感謝し、これからもグローバルヘルス分野における日本の強いリーダーシップに期待していると話しました。
日本国際交流センター/グローバルファンド日本委員会は、2012年に、ピオット氏が回想録(原版) No Time To Lose: A life in pursuit of deadly viruses 発行直後の来日の際、日本での記念シンポジウムを開催したほか、2015年の日本語版『ノー・タイム・トゥ・ルーズ―エボラとエイズと国際政治』(慶応出版会)の出版に協力し、出版記念セミナーを開催しました。