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国際シンポジウム「アジアにおける人間の安全保障と感染症」にて日本委員会発足

2004年4月5日
国際シンポジウム「アジアにおける人間の安全保障と感染症」にて日本委員会発足

2004年3月22日、(財)日本国際交流センターは、米国のアジア・ソサエティとの共催により、「アジアにおける人間の安全保障と感染症」をテーマに国際シンポジウムを開催しました。 本会議の席上、世界基金の活動に対する民間の協力・支援を推進することを目的とした「世界基金支援日本委員会」(Friends of the Global Fund, Japan: FGFJ) の発足が発表されました。現在、世界基金の呼びかけに応じて、米国をはじめいくつかの国で同様な支援協議会の設立が検討されていますが、そのトップバッターとして日本の委員会が発足し、日本国際交流センターが同委員会の事務局を務めることになりました。

会議では、森喜朗前内閣総理大臣による歓迎の辞、世界エイズ・結核・マラリア対策基金理事会議長のトミー・トンプソン米国保健福祉長官による基調講演のほか、日本、 アジア、米国、欧州各国から、政府、国際機関、医療関係者、NGO、企業、メディアなど様々な立場で感染症の問題に取り組む100名以上の専門家の参加を得て、感染症への対応やその拡大を防ぐ効果的な官民パートナーシップのあり方、アジア地域レベルの取り組みやグローバルな政策のあり方について議論を深めました。

会議のプログラムは以下から、討議概要の報告書はこちらからダウンロードいただけます。英語 | 日本語

森喜朗前内閣総理大臣による歓迎の辞。
森喜朗前内閣総理大臣による歓迎の辞
トンプソン世界基金理事会議長・米国保健福祉長官による基調講演。
トンプソン世界基金理事会議長・米国保健福祉長官による基調講演

 

『アジアにおける「人間の安全保障」と感染症』 ~エイズ等の感染症に対する効果的な対策を求めて~

国際シンポジウム「アジアにおける人間の安全保障と感染症」2004年3月22日 (東京 赤坂プリンスホテル)

趣旨

エイズをはじめとする感染症は、世界の多くの国で人々の生命と生活を脅かし、経済や社会の基盤を揺るがし、そして国家の安全保障に対する脅威とさえなっている。人やモノが地球規模で移動するようになるにつれ、感染症もまた容易に国境を越え急激に拡大している。このことは、国家間の相互依存の高まりを如実に示す現象のひとつにほかならない。皮肉なことに、アジアでは、近年、経済を中心とした地域的コミュニティがようやく形成され始め、共同体意識の醸成が進み始めている矢先にこうした感染症の問題が急浮上してきた。アジアは、エイズをはじめとする感染症との新たな闘いの場であるといわれている。今日、アジアが地域としてこれらの感染症にどのような方策を講じるかが問われており、その成否が今後の世界の感染症対策の方向性を決めるといっても過言ではない。

エイズをはじめとする感染症は、「人間の安全保障」(ヒューマン・セキュリティ)に対する脅威であり、その性質上、単独の国家や国際機関で対処できる問題ではない。また、医学的な問題としてだけでなく、社会政治的、あるいは経済的な文脈の中で包括的に捉えられなければならない。したがって、地球規模の感染症に効果的に立ち向かうためには、政府、地域機関、国際機関、企業、シビルソサエティ組織など、あらゆるセクターが連携し、叡智を結集させることが重要である。

本シンポジウムは、エイズをはじめとする感染症に関するアジア域内での幅広い政策対話を促進し、地域的な政策や戦略形成に寄与することを目的とする。世界エイズ・結核・マラリア対策基金の理事会議長を務めるトミー・トンプソン米国保健福祉長官による基調講演のほか、海外の専門家を迎え、国内からは外交政策や保健政策の形成に携わる国会関係者、関連省庁の関係者、および、医学界、NGO、経済界、メディアなど、様々な立場で感染症問題に取り組む方々のご参加を得て、エイズをはじめとする感染症の拡大を防ぐ効果的な官民パートナーシップのあり方、アジア地域レベルの取り組みやグローバルな政策のあり方について議論を深める。

 

プログラム

開会挨拶
ニコラス・プラット アジア・ソサエティ理事長
山本 正 (財)日本国際交流センター理事長
歓迎の辞
森 喜朗 前内閣総理大臣
基調講演
トミー・G・トンプソン 世界エイズ・結核・マラリア対策基金理事会議長、米国連邦政府保健福祉長官
セッション1:感染症がもたらす人間の安全保障への影響
<パネリスト>
ヘレン・ゲイル ビル&メリンダ・ゲイツ財団HIV・結核・性と生殖に関するプログラム・ディレクター
ナフィス・サディク 国連アジア太平洋HIVエイズ特使、前国連人口基金事務局長
上原 鳴夫 東北大学大学院医学系研究科教授
セッション2:感染症がもたらす人間の安全保障への脅威に対する先進的な対策の事例
<パネリスト>
マリナ・マハティール マレーシア・エイズ評議会会長
トレバー・ニールソン HIVエイズ世界経済人会議(GBC)専務理事
モリー・シールズ・ウーリン 国際エイズワクチン推進構想(IAVI)リソース開発担当副理事長
セッション3:感染症がもたらす人間の安全保障への脅威に対する地域的およびグローバルな取り組み
<パネリスト>
クリストフ・ベン 世界エイズ・結核・マラリア対策基金渉外ディレクター
尾身 茂 世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長
エレン・ロサール・ブラビエ AIDES事務局長、世界エイズ・結核・マラリア対策基金NGO代表理事
逢沢一郎外務副大臣主催レセプション
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