グローバルファンド日本委員会(FGFJ)の6つの活動領域
感染症への取り組みには、セクターを超えたグローバルな取り組みが求められます。グローバルファンド日本委員会では、日本と諸外国の議会関係者、政府、国際機関、研究者、NGO、財団、メディア、企業の皆様のご協力を得て、以下のような活動をしています。
1. より良い政策の形成に貢献する
2. 国会議員の参画をサポートする
3. メディアを通じて伝える
4. 企業とパートナーシップを築く
5. 市民社会と協働で政策を訴える
6. 公開イベントで多くの人に知ってもらう
より良い政策の形成に貢献する
国会議員の参画をサポートする
メディアを通じて伝える
グローバルファンド日本委員会は、日本のメディアの皆様に対し、三大感染症やグローバルファンドに関する情報を提供しています。記事や番組を通じて、より多くの日本人に感染症という問題を身近に感じていただき、この分野で日本がより大きな国際的役割を果たせるよう、世論を作っていきたいと願っています。
具体的には、グローバルファンド広報部との協力で、日本の報道各社にグローバルファンドの支援事業を取材していただくプレスツアーの実施、各社からの現地取材依頼への協力、インタビューのコーディネーションなどを行っています。日本のメディア単独では取材が難しい事業や地域、国際的な視点によるブリーフィングを含めることで、内容を掘り下げたタイムリーな報道がされるよう努めています。 掲載記事の一覧はこちら。
企業とパートナーシップを築く
グローバルファンドは設立以来、企業セクターと積極的にパートナーシップを築いています。国境を越えて広がる感染症は、ビジネスを世界展開する企業にとって大きな課題であり、グローバルファンドとのパートナーシップは効果的・効率的に感染症対策に貢献し、健康な労働力や市場を確保する手段ともなっています。
企業がグローバルファンドとパートナーシップを組むには、(1)資金提供や物品・サービスの無償提供、(2)理事会などグローバルファンドのガバナンスへの参画、(3)グローバルファンドの資金を受け、途上国の感染症対策の実施機関となる、(4)医薬品アクセスを促進するための仕組みへの参画などの手法があります。グローバルファンド日本委員会では、日本企業が途上国・新興国での事業展開で求められる感染症対策について企業向けのセミナーなどを行うほか、上記のいずれかの手法で、個々の日本企業がグローバルファンドと提携する際の仲介の役割を果たしています。企業関連の事業一覧はこちら。
市民社会と協働で政策を訴える
三大感染症対策のための官民連携基金であるグローバルファンドの設立には、世界のNGOや感染症の当事者団体など市民社会が大きな役割を果たしました。その後も市民社会は、グローバルファンド理事会メンバーとしてその運営や資金調達のアドボカシー、各国での事業実施にも大きな影響力を持っています。グローバルファンド日本委員会では、保健分野の日本のNGOや専門組織と連携し、保健分野のODAへの理解促進や三大感染症対策のアドボカシーに取り組んでいます。
公開イベントで多くの人に知ってもらう
感染症という難しいテーマを多くの人に身近に感じていただくため、また、この分野の日本の国際貢献を支える世論喚起のため、グローバルファンド日本委員会では、写真展などのアートイベントやセミナー、レセプションなど公開イベントを随時行っています。ウェブサイトやFacebookでご案内しますので、ぜひご参加ください。
南アフリカのオペラ「ラ・ボエーム」東京公演
1830年代のパリが舞台であったプッチーニの名作オペラの設定を、現代の南アフリカのタウンシップ(旧黒人居住区)に移し、南アフリカの芸術家の卵の若者たちのドラマとして再生した創作オペラです。ヒロインのミミが結核で亡くなるストーリーに着目したグローバルファンドからの働きかけによって、南アフリカで誕生しました。グローバルファンド日本委員会では、このオペラの東京への招致をコーディネートし、池袋の東京芸術劇場で「ラ・ボエームAbanaxhxi」のアジア初演が実現しました。初日は、結核予防会総裁を務めておられる秋篠宮妃殿下と安倍昭恵内閣総理大臣夫人(当時)のご臨席を得て開幕し、4日にわたる公演で延べ2500名以上に鑑賞いただきました。貧しく、病と闘いながらもお互いを思いやる若者たちのドラマを通じて、現代でもなお続く結核の脅威に対し私たち日本人は何ができるかを問いかけました。
写真展「命をつなぐ マグナムの写真家が見たエイズ治療の最前線」
マグナム・フォト所属の写真家8名が世界各地で最新の治療を受けるエイズ患者の姿を取材した写真展「命をつなぐ」を、グローバルファンド、マグナム・フォト、朝日新聞との共催で開催しました。エイズ治療が途上国の患者たちの命と人生に劇的な変化をもたらしていること、それでもまだ救えない命があることを伝える鋭い視点の写真を通じて、私たちが今エイズとの闘いのどこに位置するのかを知る機会となりました。
写真展のオープニング・イベントは、菅直人総理大臣(当時)の臨席を得て開催しました。この直後にニューヨークで行われた国連MDGs首脳会合で、菅総理はグローバルファンドへの8億ドルの拠出を発表しましたが、そのスピーチの中で本写真展を訪れたことについても触れ、世界各地で未だに多くのエイズ患者の方々が亡くなっていること、新しい治療薬の開発が進んだ結果、きちんと治療すれば、社会復帰ができるようになり、母子感染を防げるようになったことを改めて認識した、と述べられました。また、サイドイベントでは、ユース・グループの実行委員会の主催で、エイズやセクシュアル・マイノリティを取り上げたミュージカル「RENT」のキャストであるソニンさん、田中ロウマさんと、HIV診療にあたる本田美和子医師をゲストに迎えトークッションが行われ、多くの若い世代の方々に参加いただきました。