プロジェクト

事例調査プロジェクト 「三大感染症に対する企業の取り組み」(2006年度-2007年)

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三大感染症に対する企業の取り組み

背景

世界の三大感染症と言われるエイズ、結核、マラリアは、予防可能であるにもかかわらず年間数百万人の命を奪っています。国際社会はいまだその流れを完全に止めることができず、日本にも大きな影響を及ぼすことが懸念されています。感染症の流行は、経済活動の担い手である人材の喪失、市場の縮小など経済に大きな打撃を与えており、企業がビジネスを展開する上で、避けて通れないグローバル 課題となりつつあります。一方、企業が持つ多様なリソース(人材、技術、資金、商品、設備、広報力など)が感染症対策に極めて有効であることも明らかになっており、国連や開発援助機関、市民社会から、企業の積極的な協力に対する期待が高まっています。

日本では近年、企業の社会的責任(CSR)に関する議論が高まりを見せていますが、欧米のようにCSRの具体的な行動課題として保健問題や感染症問題がとりあげられることはこれまで極めて稀でした。欧米諸国に比べると三疾病とも日本国内の感染率が比較的低いため危機感が薄いこと、日本のCSRの議論がこれ まで環境問題中心に発展してきたことなどがその理由と考えらます。しかしながら、アフリカやアジアの開発途上国に進 出する日本企業のいくつかは、現地の社会課題である感染症問題に取り組み始めており、また、感染症対策に貢献する日本企業の技術力が大きくクローズアップされるなど、CSRの具体的な行動課題として感染症問題が関心を集めるようになってきました。

こうした状況のもと、グローバルファンド日本委員会では、今後国内外で日本企業がこの分野で積極的に活動を展開できるよう具体策を提供し、また企業と国際機関、政府機関、市民社会の間のネットワークを醸成することを目的に、調査・対話プロジェクトを実施しました。

主な調査項目は、調査対象企業が操業する開発途上国における感染症の現状、保健行政や国際機関の取り組み、企業として感染症に取り組むようになった背景と 経緯、推進体制、活動の広がり、リーダーシップやパートナーシップのあり方、感染症抑制へのインパクトと企業にとってのインパクト等などとしました。2007 年2月には、中間発表の場として、企業関係者を迎えた国際シンポジウムを東京・経団連会館で開催し、企業関係者を中心に100名を越す方々の参加を得て議論を深めました。

最終的に、日本企業3社を含む13社の事例をまとめ、また総論として、感染症と企業活動の関わりについての論考を加えて、最終報告書『地球規模感染症(パンデミック)と企業の社会的責任:三大感染症-エイズ・結核・マラリアに立ち向かう企業』(日本国際交流センター/世界基金支援日本委員会刊)を2009年8月に出版しました。

 

事例一覧

事例1アングロ・アメリカン (鉱業/南アフリカ/エイズ)
–インフラが未整備な環境でのエイズ治療の提供–

事例2コカ・コーラ・カンパニー (食品/アフリカ/エイズ)
–製造・流通網の活用–

事例3 ダイムラー・クライスラー (自動車/南アフリカ/エイズ)
–ドイツ開発援助機関との連携–

事例4 エクソンモービル (石油・ガス/アフリカ/マラリア)
–マラリアとの闘いのパイオニア–

事例5 住友化学 (化学/タンザニア/マラリア)
–マラリア防除用蚊帳の開発とアフリカへの技術移転–

事例6 南アフリカトヨタ (自動車/南アフリカ/エイズ)
–福利厚生に組み込まれたエイズ対策–

事例7 バイエル中国  (医薬/中国/エイズ)
–エイズ報道の強化をめざして–

事例8 セントラル・アズカレラ・ドン・ペドロ(食品/フィリピン/結核)
–フィリピン企業が取り組む地域の結核対策–

事例9 スタンダード・チャータード銀行 (金融/タイ/エイズ)
–社員参加型のエイズ対策–

事例10 大成建設 (建設/ベトナム/エイズ)
–“Bridge to Health” 健康への架け橋–

事例11 リーバイ・ストラウス (衣料/国際/エイズ)
–企業哲学の実践–

事例12 M・A・C (化粧品/国際/エイズ)
–ブランドイメージの構築とエイズへの取り組み–

事例13 MTV (メディア/国際/エイズ)
–メディアの力を活用した若者への働きかけ–

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