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WHO事務局長にグローバルファンド元理事会議長テドロス氏が選出

2017年5月24日
WHO事務局長にグローバルファンド元理事会議長テドロス氏が選出

5月23日に開催された世界保健機関(WHO)総会で、6月末に任期を終えるマーガレット・チャン事務局長の後任として、元エチオピア外務大臣のテドロス・アダノム氏が選出されました。アフリカから選出された初のWHO事務局長となります。テドロス氏はエチオピア保健大臣を務めていた2009年から2011年にかけてグローバルファンド理事会の議長を務め、グローバルファンドとも関係が深い方です。

保健システムの強化に実績

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2015年12月に東京で開催された国際会議「新たな開発目標におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」で話すテドロス氏

テドロス氏の最大の功績のひとつは、保健大臣(2005-2012年)として、エチオピアのプライマリ・ヘルスケア構築を成功させたことです。

エチオピアはテドロス氏の主導で、グローバルファンドやPEPFAR(米大統領エイズ救済緊急計画)による疾病対策資金を保健システム強化に活用し、全国レベルで保健施設の拡充や保健人材の育成・定着をはかりました。グローバルファンドの資金を活用して育成されたコミュニティ・ヘルス・ワーカー(保健普及員)は全国で約3万8000人にのぼり、三大感染症にとどまらず、全般的に保健サービスのカバレッジを大幅に向上させました。こうした努力の結果、多くの保健指標が改善されました。

支援を受ける国自身が、三大感染症の終結という目的を達成するためには保健システムの強化が必要だという強い信念と責任感をもって、グローバルファンドの資金を柔軟に活用し成果を出した好例と捉えられています。

また、テドロス氏はグローバルファンドの理事会議長として、各国政府や国際機関、企業、市民社会とともに、三大感染症の流行終焉に取り組んできました。テドロス氏は、多様な主体を巻き込み複雑な組織であるグローバルファンドをリードした経験が、WHO改革に必ずや役立つことを確信していると語っています。

グローバルファンドのマーク・ダイブル事務局長は「国際社会が、三大感染症の流行終焉や、抗菌薬耐性(AMR)などの新たな公衆衛生の脅威に取り組む努力を加速していく中、テドロス氏のリーダーシップは大変重要となる。」とテドロス氏の当選を歓迎し、グローバルファンドの主要なパートナーであるWHOとの密接な連携の決意を新たにしました。

グローバルファンドのリリース

Global Fund Welcomes Dr. Tedros Adhanom Ghebreyesus as Director-General of WHO
May 23, 2017

WHOのリリース
May 23, 2017

 

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