グローバルファンド 新型コロナ支援アップデート

この記事の掲載日 : 2021年07月16日(金) この記事のカテゴリー :



新型コロナウイルスは、脆弱なコミュニティに壊滅的な影響を及ぼしており、エイズ、結核、マラリアとの闘いにおける数十年の進歩を脅かしています。グローバルファンドは、世界各国、パートナーやコミュニティと協力して、新型コロナと闘い、三大感染症からの救命のためのプログラムを支援しています。グローバルファンドは、新型コロナウイルス対応メカニズム(※1)を通じて、低・中所得国に対して、検査、治療(医療用酸素を含む)、個人用防護具、保健システム強化などの重要ツールへの資金を提供する主要な役割を担っています。最新の状況は以下の通りです。

世界の新型コロナウイルス感染症の状況(2021年7月15日現在、出典:WHO

死亡者数:405万9339人
感染者数:1億8812万8952人

グローバルファンドの最新の対応状況(2021年7月15日現在、出典:グローバルファンド

コロナ対策への承認済資金合計:13億4200万ドル(約1475億円(2021年7月16日為替レート 1USD=109.88円で算出))
承認額内訳

👉 Pick-Up:コロナ対応メカニズム(2021年)の最初の承認は、インドでの感染拡大に伴う医療用酸素の緊急需要に対応したもので、5月に7500万ドルを承認し医療用酸素の調達に活用されています。
資金調達目標(2021年末まで):100億ドル(約1兆988億円)
グローバルファンドの支援を受ける国の数:105か国及び14の広域プログラム

各国の資金の使途

このグローバルファンドのコロナ対応メカニズムへの各国の申請の資金使途の内訳は以下の通りです。
◆全国における新型コロナ対応の強化(58%)
検査、治療(酸素含む)、最前線で働く医療従事者向け研修、手袋やマスクなどの個人防護具、追跡や隔離といった封じ込めへの支援など。
◆三大感染症に与える新型コロナの影響の軽減(32%)
医薬品、蚊帳、重要物資の戸別訪問による供給、コミュニティ・ヘルスワーカーへの支援、デジタル・プラットフォームを通じた支援など。
◆保健やコミュニティのシステムの早急な改善(10%)
供給網、検査ラボのネットワーク、コミュニティ主導の対応システムの強化など。

世界的な医療用酸素不足

最も重篤なコロナ患者にとって、医療用酸素は唯一証明された救命治療です。しかし今なお世界的な医療用酸素不足に見舞われており、特に低・中所得国は1日あたり最大1530万立方メートルの医療用酸素を必要としています。

出典:PATH COVID-19 Oxygen Needs Tracker 

この状況に対しグローバルファンドは、グローバルファンドが運用する調達サイトwambo.orgで酸素装置の調達を可能にし、医療用酸素製品への各国のアクセスを支援しています。 最近では、資金申請国に対し、高まる酸素需要への対処法として、国内または地域で液体酸素が入手可能な場合、液体酸素の申請を検討するよう奨励しています。

深刻な検査の状況

人口10万人あたりの1日の検査数は、高所得国の564件に対し、低所得国では5.4件と100倍以上の開きがあります。

出典:FIND SARS-COV-2 TEST TRACKER

ACT-アクセラレーター(※3)における検査部門の資金調達状況は深刻で、97億ドルの資金調達が求められるなか、誓約済はわずか10億ドルで、87億ドルもの資金が不足しています(※4)

こうした状況に対するグローバルファンドの支援状況は以下の通りです。
コロナ対応メカニズムから診断検査への配分額:1億8900万ドル
受注数:88か国からPCR検査と迅速抗原検査の双方で計2130万件の注文完了

自動PCR検査機器:83か国から390万件
迅速抗原検査:36か国から1570万件
手動式PCR検査機器:170万件

グローバルファンドは、ACTアクセラレーターの検査部門で主管組織を務めており、ワクチンの有効性の確認や変異株の監視に不可欠な検査への資金拠出を訴えています。

 


※1 コロナ対応メカニズムは、グローバルファンドが支援する低・中所得国が、新型コロナウイルス感染症に対応しながら、三大感染症との闘いや保健システム強化を継続するために時限的に設置された資金調達・配分メカニズム。
※2 グローバルファンドから受けているグラントの5%の範囲内であれば、事前承認を経たうえで、節約資金(訳注:費用の削減により生じた使途が定まっていない予算)を時限的に新型コロナ対策に使うことも可能にする資金のこと。
※3 ACT(アクト)アクセラレーターとは、新型コロナウイルス対策の新たな診断、治療、ワクチンの開発、生産、公平なアクセスを加速化させるための国際協働の仕組みのこと。
◆ACTアクセラレーターの進捗状況や最新情報、課題などについては、日本国際交流センター(JCIE)が発行している「ACT-A WATCH」第1号(2021年4月発刊)および第2号(2021年7月発刊))をご覧ください。
※4  WHO ACT-Accelerator Prioritized Strategy and Budget for 2021 およびFunding trackerを基に算出。