マライケ・ヴェインロクス事務局長代行来日の主要メッセージ

  • 2017年10月15日~18日

この記事の掲載日 : 2017年10月26日(木) この記事のカテゴリー : ,


Share on LinkedIn

世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)のマライケ・ヴェインロクス事務局長代行が、國井修 戦略・投資・効果局長、パトリック・ニコリエ人事部長、高山眞木子渉外局ドナー・リレーションズ担当官とともに、10月15日~18日にかけて日本を訪問しました。今回の来日では、堀井巌外務政務官への表敬訪問のほか、官民の有識者によるグローバルファンド日本委員会アドバイザリーボード、国会議員、関係省庁の幹部との意見交換、プレス・ブリーフィング、キャリア・セミナーなどを行いました。来日中の諸会合での主要メッセージは以下の通りです。

IMG_6551

グローバルファンド日本委員会アドバイザリーボード会合でグローバルファンドの最新成果報告や今後の課題について発表するマライケ・ヴェインロクス事務局長代行(中央)

救われた命の数 2200万人

2002年の設立から2016年末までに各国政府、国際機関や企業、市民社会、感染症の当事者などの協働により、グローバルファンドは2200万の命を救うことができた。グローバルファンドの支援を受けて感染症対策を取り組んできた国々では、エイズ・結核・マラリアによる死亡数が2002年に比べて1/3減少した。その他の主な成果は以下のとおり。

  • 抗レトロウィルス治療(ART)を受けているHIV陽性者 1100万人(世界全体でARTを受けている人の半数以上にあたる)
  • 結核治療を受けた人数 1740万人
  • マラリア感染予防のために配布された蚊帳の数 7億9500万張
  • グローバルファンドが当初2016年末までの目標としていた1億4000万~1億8000万の感染の回避は、2015年に達成

異なるアプローチで柔軟に対応

グローバルファンドは現在 100カ国・地域以上に三大感染症対策の支援をしている。支援の効果を最大化にするため、グローバルファンドはそれぞれの国のニーズや状況に応じて、異なる支援アプローチを展開している。

■オペレーションが困難な国・地域での支援

紛争や災害などにより政府のガバナンス能力が著しく低下し、保健医療サービスへのアクセスが悪化した“オペレーション困難環境”(challenging operating environments)にある国・地域は、エイズ・結核・マラリアの疾病負担が高く、世界全体におけるこれら疾病負担の1/3を占めていることから、継続的な感染症対策が非常に重要である。そのため、グローバルファンドの支援総額の1/3はこれらの国・地域に向けたものとなっている。さらに、より柔軟に対応できるように緊急基金(emergency fund)を設立し、緊急事態の際にすばやく現地で活動を展開している国際機関や国際NGOと協力して必要な人々にサービスが届けられるように工夫している。

例えば、難民問題にも柔軟に対応している。2011年のシリア危機発生以来、480万人以上のシリア難民が隣国のレバノンやヨルダンに避難している。レバノンとヨルダンはグローバルファンドの支援対象国ではないが、緊急基金より450万ドルを拠出し、現地で活動している国際移住機関(IOM)を通じて両国に滞在するシリア難民を対象に結核対策を行っている。

■途上国の国際支援からの自立に向けた取り組み

グローバルファンドでは国の「経済力」と「三大感染症による疾病負担」によって支援適格基準を決めている。支援からの「自立」は最終目標だが、支援を打ち切った途端に感染症が再燃しないように、グローバルファンドは持続可能性の強化(Sustainability)、自立への移行準備(Transition)、国内資金の増加(Co-financing)に重点を置き、図1のように多くのパートナーと協働し、支援を受ける国の主体性と主導性を重んじながら、早い段階から取り組んでいる。

[英語オリジナル図はこちらをご覧ください]

FGFJreport13_pg3_diagram

日本にとってのグローバルファンドの価値

グローバルファンドの年間予算は約40億ドルである。これは、早稲田大学と慶応義塾大学両大学、もしくは大阪市立病院の年間予算と同じくらいの金額となる。今年、グローバルファンドは日本政府に対し、3億1400万ドルの拠出を要請している。この金額があれば、41万8000の命を救うことができ、また590万件の新規感染を回避できる。さらに、70億ドルの経済効果をもたらすことができる試算されている。日本はグローバルファンドの「生みの親」であり、これまで28億3902万ドルを拠出してきた。現在ドナー国として5番目の規模を誇る日本には、引き続きリーダーシップを期待している。

201710-GF Marijke visit

堀井巌外務政務官への表敬訪問(写真提供:外務省)

201710-GF Marijke press briefing

プレス・ブリーフィングで発表するマライケ・ヴェインロクス事務局長代行(右)と國井修 戦略・投資・効果局長

 

主要日程