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グローバルファンド事務局長来日セミナー 開催報告

2016年12月19日
グローバルファンド事務局長来日セミナー 開催報告

10月25日、日本国際交流センター/グローバルファンド日本委員会は、国立国際医療研究センター、グローバルファンドとの共催で、グローバルファンド事務局長来日セミナー「2030年までの三大感染症の流行終息に向けたグローバルファンドの戦略と日本の貢献」を開催しました。

保健医療分野の専門家、国際機関や政府機関、シビル・ソサエティ、企業の代表、学生など約100名に参加いただいた本セミナーでは、ダイブル事務局長よりグローバルファンドの戦略とビジョンについて基調講演をいただき、その後のパネルディスカッションでは日本人専門家と共に、三大感染症流行の終息までの課題、グローバルファンドと日本とのパートナーシップの可能性について議論を行いました。各登壇者の発言要旨は以下の通りです。

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開会挨拶
春日雅人 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター理事長

dybul_2016-1273グローバルファンドは2002年に設立以来、三大感染症との闘いにおいて重要な役割を果たし、大きな成果を成し遂げた。本日、ダイブル事務局長を迎えてセミナーを開くことを光栄に思う。

日本政府は近年、グローバルヘルスの推進に力を入れている。安倍総理は本年5月のG7伊勢志摩サミットや8月の第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)で、グローバルヘルス分野への大きなコミットメントを発表した。日本のグローバルへルス分野の国際協力の主要な担い手として、国立国際医療研究センターも三大感染症対策と保健システムの分野で、国際協力機構(JICA)を通じていくつかの国に専門家を派遣し、現地保健省との協力で国の保健政策を立案し、感染症プログラムを通じて現地の保健システムの強化に貢献している。グローバルファンドとの関係でも、審査委員会への参加、日本政府代表団の一員としての理事会出席を通じて、支援を受ける国での経験に基づいた知見を共有している。また、当センター内にグローバルへルス政策研究センターが設立されたことも一つのチャンスである。今後も、三大感染症をはじめ、グローバルヘルス分野にさらなる貢献をしていきたい。

基調講演
マーク・ダイブル 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)事務局長

dybul_2016-1289_1グローバルファンドは2002年設立以来、各国政府、国際機関、企業、シビルソサエティ、感染症の当事者とのパートナーシップで努力を重ねた結果、三大感染症との闘いにおいて大きな成果を果たした。これまで日本からいただいた資金的・知的リーダーシップに感謝したい。加えて、品質の高い日本製品は現場での感染症対策に大きく貢献している。

三大感染症との闘いは大きく進捗したが、まだ多くの課題が残っている。HIVに関しては検査や治療も大切だが、各地域でどのような人々が感染しているのかを正しく把握し、適切に対処していく必要がある。例えば、南部・東部アフリカでは15-24才の若い女性のHIV感染率は男性より8倍も高い。検査や治療の問題ではなく、ジェンダー間の不平等、ジェンダーに基づく暴力といった社会・文化的な構造が若い女性たちをHIV感染リスクにさらしている。実際、マラウィで女子を中学校に通わせた結果、HIV感染率は通常より60%も低くなったという報告がある。女子教育がもたらす社会的な影響は計り知れない。

マラリアについては、特にアジア太平洋地域で大きな進展がみられた。世界保健機関(WHO)が発表した2020年までにマラリア撲滅(elimination) が可能な21ヵ国のうち、6ヵ国(ブータン、ネパール、東ティモール、中国、マレーシア、北朝鮮)はアジアにある。引き続き協力しながら対策に取り組んでいけば、これらの国々でのマラリア撲滅は夢ではない。一方、メコン地域ではアルテミシニン耐性マラリアの拡大が懸念される。これまでの努力が無駄にならないように、グローバルファンドはJICAやアジア開発銀行と協力しながら、これらの地域で重点的にマラリア対策に取り組んでいる。

結核は、治療可能な病気であるにもかかわらず、いまだに撲滅できておらず、進展もあまり思わしくない。世界の年間結核発生数の6割を占める6ヵ国のうち4ヵ国はアジアの国々(インド、インドネシア、中国、パキスタン)であり、アジア地域の発展にとって大きなリスクである。グローバル化に伴い、観光や仕事で人の移動が増加する中、自国の結核対策のためにもは、近隣諸国の結核対策への継続的な支援が必要不可欠である。 (※来日中の主要メッセージはこちら

パネルディスカッション

ファシリテーター
國井 修 グローバルファンド戦略・投資・効果局長

三つの感染症には、それぞれ国際目標がある。例えば結核では、2030年までに結核の死亡者数を2015年に比べ90%下げることだ。90%の低下など本当にできるだろうか?15年前、ミレニアム開発目標(MDGs)が採択された時、多くの人はその壮大な目標を非現実的だと思った。しかし今日、「HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病まん延防止」の目標に関しては、いくつかの国を除き、概ね目標は達成できた。これは大変素晴らしいことであり、自信を持っていい。

次の2030年の目標に向けて、まだやらなければいけないことがたくさんある。結核の場合、現状の対策を続けているだけでは罹患者数は毎年2%ずつしか減らず、2030年までに結核の流行終息を達成できないことは明らかである。そのため、私たちは最も適切な対策を講じ、誰でも治療が受けられるようにユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を促進、新しいワクチン・薬剤の開発や導入に力を合わせる必要がある。今日は、幅広い分野から若手や経験豊かな専門家にパネリストとして参加していただいている。パネリストの皆様と、三大感染症の流行終息のために何が課題なのか、日本が協力できることは何か、議論していきたい。

パネリスト
瀧澤 郁雄 独立行政法人 国際協力機構(JICA)人間開発次長

dybul_2016-1306-1JICAは、多くの国でグローバルファンドと協力している。最近では、TICAD VIのサイドイベントをグローバルファンドなどのパートナーと共催し、UHCの実現に向けて、アフリカ諸国が具体的な国家戦略を策定する際に参考となるフレームワークである「UHC in Africa」をグローバルファンド、世界銀行、WHO、アフリカ開発銀行と共同発表した。

JICAの長所の一つは、政府と共に働く力だ。政府の能力開発を支援している。例えばアフガニスタンでは、私たちは脆弱な政府の代わりにグローバルファンドの資金受入責任機関を暫定的に務めた。これと平行してアフガニスタン政府に能力強化の技術協力を提供した結果、今では、アフガニスタン政府は共同資金受入責任機関として、自国の感染症対策に取り組む段階に来ている。もう一つは、JICAの開発政策借款(DPL)という制度だ。政策・制度の改革を目指す開発途上国を支援するDPLをうまく活用し、三大感染症対策を含む保健システムに充てる自国の予算を増やす触媒的な役割を果たせると思う。これらJICAの長所を活用して、グローバルファンドとさらなる協力の可能性を模索したい。

パネリスト
野崎 威功真 国立国際医療研究センター国際医療協力部 兼 ミャンマー保健省感染症対策アドバイザー

dybul_2016-1351三大感染症の流行終息という目標を達成するためには、2つの重要な課題がある。1つ目は、今ある限られたリソースをどう活用すれば、コミュニティに医療サービスを届けられるか、ということだ。私は2007-10年にJICAの技術協力プロジェクトに参加し、ザンビアで抗レトロウィルス治療(ART)サービス拡大プロジェクトに携わった。ザンビアでは医療従事者が極端に少なく、医療施設も機材も限られ、HIV陽性者は遠くの病院まで治療を受けに行かなければならず、生涯にわたり治療を続けるのは困難であった。私たちはより多くの住民にARTを提供するため、郡病院の医療従事者のチームを地方のヘルスセンターに派遣する「モバイルARTサービス」を導入した。サービスをコミュニティに近づけることにより、HIV陽性者の負担が軽減され、治療の継続性が高まること、人材など医療資源が限られた地方でも保健医療サービス実現できることを示した。これが評価され、モバイルARTサービスはザンビア保健省の国家ガイドラインに採用され、さらにグローバルファンドの資金を活用してこのサービスは10に拡大した。

2つ目は、検査の質の向上だ。2030年にエイズ流行終結を実現するためには、2020年までにHIV陽性者の90%が自らのHIV感染を知り、そのうちの90%が治療を受けられるようになり、さらにそのうちの90%が治療によって体内のウィルス量を低く抑えられるようになるという「90-90-90目標」が合意された。3つの目標のうち2つは検査に直結しているため、検査対象の拡大、精度の向上は非常に重要なことだと思う。現在、ミャンマーでは検査キットの多くがグローバルファンドの支援で購入されており、それらが現場で正しく使われるよう、技術支援を行っている。

パネリスト
石川 信克 公益財団法人 結核予防会(JATA)結核研究所所長

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結核はかつて日本人の最大死因の一つだったが、戦後の社会発展と政府のコミットメント、特に結核予防法の導入により、状況は劇的に改善した。全国規模での結核予防対策や結核患者に対する適正な医療の普及により、結核対策は日本のUHC達成に大きく貢献したと言える。しかしながら、日本は未だに結核の「中まん延国」だ。人口減少を補うために、今後益々多くの外国人労働者が日本に移住することが予測され、これらの人々の結核対策に努めなければ日本の結核は減らない。深刻なのは多剤耐性結核だ。外国人結核患者の間での多剤耐性結核の数は、日本人結核患者に比べ10倍も高いというデータがある。グローバル化に伴い、仕事や観光で人の移動が増加する中、グローバルな結核対策に貢献して状況を改善しなければ、日本はあと200年たっても結核を撲滅できない。

JATAは、日本での経験を活かし、主にJICAを通じて多くの国の結核対策に貢献してきた。例えば1963年から実施している国際研修では、途上国の2000人以上の医者や検査技師が日本で研修を受けている。こうしたネットワークを活用して、JATAがグローバルファンドと協働できることは3つあると考える。第1に、日本の経験を活かした結核対策への技術協力。各国が皆保険を初めとするUHCを達成する上でどのように結核対策を含めていくか等、共有できる知見は多くある。第2に、JATA/結核研究所の研修と、グローバルファンドやWHOのEnd TB Strategyを調和させていくこと。第3に、日本で開発された新しい診断システム、ワクチン、治療薬、ICTなどの普及でグローバルファンドと協力することが可能だろう。

パネリスト
林 玲子 国立社会保障・人口問題研究所国際関係部長

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エイズの流行を終息させるためには、先ほどダイブル事務局長が言及したようにジェンダーが大きな課題のひとつである。世界的には、女性のHIV感染は男性より少しだけ高いが、地域的に見ると顕著な差が見られ、特にサブサハラアフリカ地域では女性のHIV新規感染率・有病率ともに著しく高い。その背景には、近親者による性暴力、早婚や一夫多妻制などのジェンダー問題があり、女性のHIV感染リスクを高めている。教育や政策提言を通じて変えていかなければならない。

石川先生が指摘された移民問題も、感染症対策における大きな課題の一つである。日本は移民政策を採らないと言いつつ、昨年1年間に増えた外国人の数は、同年に減少した日本人人口の41%にあたり、実質的には、日本の人口減少は外国人によって補充されている。しかも、観光立国をめざす政府は、訪日外国人数を4000万人に増やす目標を打ち出し、大きな経済効果が見込まれている。グローバル化の時代に人の移動は止められない。人と共にに感染症も入ってくるが、国境を閉ざすわけにはいかない。私たちは感染症に悩まされている送り出し国と共に、対策を強化していかなければいけない。三大感染症は遠いアフリカの国や貧しい国だけの問題ではなく、私たちの問題でもある。

最後に、私自身の経験に基づく話をしたい。2009年にセネガルの首都ダカールに住んでいた時、大規模な洪水が発生した。それまでマラリアは農村部に限られ、首都ではほとんど発生していなかったが、洪水のあと水は6ヵ月にわたり都市部に溜まり続けたことにより、大量の蚊が発生してマラリアが再興し、多くの被害をもたらした。これは一例に過ぎないが、脆弱な環境のところに一例でも感染症が起きれば、流行は戻ってくる可能性がある。感染症は掃滅するまで闘い続けなければいけない。データとエビデンスに基づく継続的な取組みが必要だ。

パネリスト
中谷 比呂樹 慶応義塾大学スーパーグローバル事業特任教授、国立国際医療研究センター理事

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私は2007-15年にWHO本部事務局長補を務め、グローバルファンドをはじめ世界中のパートナーと共に三大感染症対策に取組んできた。過去の15年間はまさにグローバルヘルスの黄金時代だったと言えよう。アメリカの疾病対策センター(CDC)の発表によれば、今世紀初めの10年間の世界の公衆衛生における10大成果のうち3つはエイズ、結核、マラリアにみられる進捗である。グローバルファンドの努力に感謝したい。また、そのトップとして、またその前は米国大統領エイズ救援緊急計画のトップとして、ダイブル氏はこうした成果を生み出した立役者だ。2013年に事務局長に就任した時には、グローバルファンドは厳しい状況に置かれていた。彼は事務局長に就任すると、短期間に支援の仕組みの見直しなど大胆な改革を行い、ドナーからの信頼を見事に回復した。

感染症対策は進んだ。だが、エボラ危機で改めて突き付けられたのは、感染症対策だけでは十分ではないということだった。我々は、2016年から持続可能な開発目標(SDGs)の時代に入った。MDGsに比べると、より包括的で複雑だ。17の目標と169のターゲットがあり、日本が推進するUHCもターゲットの一つである。SDGsの共通目標に向けて、WHOのガイドラインのもとに、グローバルファンドをはじめ様々な組織が連携して共に仕事をする必要がある。だが、連携は口で言うほどたやすくはない。その点、WHOのチャン事務局長、グローバルファンドのダイブル事務局長、国連エイズ合同計画(UNAIDS)のシディベ事務局長が実にうまく連携できていたことは幸運だったと思う。今後も、こうした連携を続けていくことが何よりも重要だ。

質疑応答 (抜粋)

Q: グローバルファンドの中期戦略には、「強靭で持続可能な保健システムの構築」が独立した戦略の柱となっている。保健システム強化を戦略に取り入れたことで、三大感染症への焦点がぶれるのではないか。

ダイブル:ご質問は大事なポイントである。 15年前、エイズ・結核・マラリアは世界中で猛威を振るい、私たちは一刻も早く感染が広がらないように対処しなければいけなかった。あまりにも悲惨な状況であったため、大規模な対策をまず展開し、とにかく「行動」に重点を置いていた。今は状況がまったく違う。「感染を拡大させない」段階から「感染流行を終息させる」段階に移ってきている。これまでは三大感染症にフォーカスして対策をしてきたが、これからは強靭で持続可能な保健システムの構築も必要だ。リベリアはその良い例である。リベリアは三大感染症との闘いにおいて、ある程度の成果を達成できていた。しかし、保健システムが脆弱だったためにエボラ出血熱が拡大し、改善していた三大感染症も悪化してしまった。エイズ・結核・マラリアの流行を終わらせるためには、強靭で持続可能な保健システム、つまり村に治療薬を届けるサプライチェーン、良い品質の医薬品などの安定した調達、情報の収集や活用、政策・ガバナンスなどが不可欠である。そのため、グローバルファンドは強靭で持続可能な保健システムの構築を新しい中期戦略に取り入れた。

Q: 三大感染症流行の終息のための、シビル・ソサエティやコミュニティの役割をどう考えているか?

瀧澤: 第一回野口英世アフリカ賞を受賞したミリアム・ウェレ博士は「コミュニティで起きていることは国中で起きている」と話し、コミュニティの重要性を強調した。三大感染症の流行を終わらせるためには、末端の状況を一番よく知るコミュニティと共に取り込む必要がある。エチオピアの場合、グローバルファンドの資金を使い39,000人の保健普及員を育成し、彼女たちが村々で三大感染症対策を進めると同時に、母子保健衛生状況の改善指導なども行っている。JICAとしても、このような人材育成面でもグローバルファンドと協力していきたい。

ダイブル: グローバルファンドが支援するプログラムの40%はシビル・ソサエティによって実施されている。クリニック止まりの保健システムは失敗であり、コミュニティまで届けなければ三大感染症の流行は終わらない。今回の来日で新宿区が実施する結核対策プログラムを視察する機会があった。新宿区が結核の罹患率が高いホームレス・コミュニティに積極的に働きかけ、結核の検査や治療を提供するだけでなく、衣食住を確保して自立支援をしていることに大変感銘を受けた。このようなコミュニティを中心とした保健医療と福祉の連携の取組みを他の国でも展開できればよいと思う。

Q:グローバルファンドは移民や難民の三大感染症にどのような対策をとっているのか?

ダイブル:  まず、私たちは様々なアドボカシー活動を通じて、現地政府に働きかけている。例えばタイの場合、移住労働者は国民健康保険でカバーされていなかった。グローバルファンドはタイの保健省に、移民への医療サービスの必要性を提起し、制度作りに協力し、今では合法の移住労働者にも国民健康保健が適用されるようになった。

また、移民や難民の三大感染症対策には国を超えた取り組みが必要であることから、私たちは広域的な対策も支援している。南部アフリカの場合、結核患者の3分の1は鉱山で働いている移住労働者だ。鉱山で仕事を始める際、検査が実施され、結核と診断されれば就労期間中に結核の治療が提供される。しかし、仕事が終わり一時的に帰国してから次の鉱山での仕事が始まるまでは治療が中断してしまう。その間、結核が労働者のコミュニティに持ち込まれ、拡散してしまうこともある。しばらくして別の鉱山での仕事が始まり、また検査で結核と診断されれば、治療薬が提供される。多くの場合は、これまで服用した治療薬を確認せずに新たな治療薬が提供され、これが多剤耐性結核の発生につながっている。このような保健システムは、明らかに鉱山労働者の移動パターンと結核流行とのダイナミクスを勘案していない。グローバルファンドは近隣国の保健省や鉱山労働組合と協力し、国境を超えた結核対策と治療管理の統一標準化などの取組みを支援している。

最後に、私たちは難民が必要とする三大感染症の治療やサービスを提供できるように、柔軟に対応している。例えばシリアの場合では、2011年にシリア危機が勃発し、480万人以上のシリア難民が国境を越えて、レバノンやヨルダンの難民キャンプなどに避難している。多くの難民は保健医療サービスにアクセスができず、健康状態が悪化し、結核の発生件数が増えている。この緊急事態に速やかに、かつ柔軟に対応すべく、グローバルファンドは緊急基金(Emergency Fund)より450万ドルの支援を決定し、レバノンやヨルダンにいるシリア難民に結核の治療や予防サービスを届けている。また、結核を撲滅したヨルダンではシリア難民によって結核が再興しないよう、ヨルダン政府に様々な支援をしている。

閉会挨拶
大河原 昭夫 公益財団法人 日本国際交流センター理事長、グローバルファンド日本委員会ディレクター

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本日の有意義なディスカッションに感謝したい。日本国際交流センターは2004年より、皆様のご協力を得てグローバルファンド日本委員会を運営している。本日あらためて感じたのは、グローバルファンドは「ドナー」ではなく、感染症対策のための「メカニズム」であるということだ。三大感染症流行の終息という大きな目標のために、世界中の人々がグローバルファンドというメカニズムを使って対策を行っている。人々を結びつけるメカニズムである。今日のセミナーには多くの研究者、政府関係者、国際機関関係者、企業やシビル・ソサエティの代表に参加していただき、まさにグローバルファンドのこのメカニズムが生かされたのではないか。本日のセミナーをきっかけに日本とグローバルファンドの連携が深まることを期待する。

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*本稿は、登壇者の発言を日本国際交流センターの責任においてまとめたものです。質疑応答では、会場から多くの質問とコメントをいただきましたが、ここでは3点に絞って掲載しています。

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