グローバルファンド第5次増資準備会合の開催

  • 2015年12月17日(木)
  • 東京プリンスホテル

この記事の掲載日 : 2015年12月18日(金) この記事のカテゴリー : ,


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グローバルファンドの第5次増資準備会合(注1)が、日本外務省の主催で12月17日に東京で開催されました。グローバルファンドの増資関連会合がアジアで開催されたのは初めてのことです。

今回の増資準備会合には、ドナーである各国政府代表やビル・ゲイツ・ゲイツ財団共同議長をはじめとする民間財団や企業の代表、グローバルファンドの支援を受けて感染症対策を進める各国の外務大臣や保健大臣、市民社会の代表、WHOやUNAIDSなどパートナーである国連機関の代表等約150名が出席しました。

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Photo: Global Fund / Yuki Kato

開会の挨拶で岸田外務大臣は、官民連携基金であるグローバルファンドのこれまでの成果を評価し、「三大感染症の根本的解決のためには、強靱かつ包括的で持続的な保健システムの構築・強化と、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現が重要」であると強調し、グローバルファンドが各国の保健システム構築の上で、主導的な役割を果たすことへの期待を示しました。また、感染症とともに生きる人々、脆弱な環境に置かれた人々の個人の尊厳を尊重するグローバルファンドの方針は、日本の外交政策の柱である「人間の安全保障」の考え方に沿ったものであると高く評価しました。

本会議では、これまでの支援の成果や、保健システム構築やUHCのためのファイナンシングの在り方、イノベーションなどともに、グローバルファンドの次期増資期間(2017~19年)に必要な資金に関する議論が行われました。

WHO, UNAIDS, Stop TB Partnership 等のパートナー機関の計画によれば、2030年までに三大感染症の流行を終結させるという国際社会の目標を達成するために、グローバルファンドの支援を受ける中低所得国が2017~2019年の3年間に必要とする資金(自国予算と海外支援の双方)は970億米ドルと推計されています。

このうち、グローバルファンドでは、2017~2019年の資金調達目標を130億米ドルと定めました。今回の会議では、その根拠となる報告書「2017-2019年グローバルファンド:命が救える投資―エイズ・結核・マラリア流行の終結に向けて―」が公式に発表されました(日本語版概要英語版概要 | 英文全文)グローバルファンドが3年間で130億米ドルを支援すれば、以下様々のことが可能となります(詳細は報告書参照)。

  • グローバルファンドが支援するプログラムを通して最大800万人の命を救うことができる(設立から2020年までの累計では、3000万~3200万人の命を救うことができる)
  • 最大3億人のエイズ、結核、マラリアの新規感染を回避することができる
  • 支援の対象国が三大感染症対策に充てる国家予算の増加を促すことができる。その額は410億米ドルに上る。
  • 長期的に最大2900億米ドルにのぼる幅広い経済効果をもたらす

グローバルファンド第5次増資準備会合について、下記グローバルファンドの発表をご覧ください。

Global Fund Outlines Investment Case to End Epidemics


グローバルファンド日本委員会を運営する日本国際交流センターでは、本会合の東京開催に協力するとともに、前日の12月16日に、外務省、財務省、厚生労働省、国際協力機構(JICA)とともに国際会議「新たな開発目標の時代とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ: 強靭で持続可能な保健システムの構築を目指して 」を開催しました。(注2)

双方の会議に共通するテーマは、感染症を克服するためには強靭で持続可能な保健システムの構築が不可欠であるという点でした。これは、エボラ出血熱の流行以来、グローバルヘルス分野に関わる者が共通にもつ危機感であり、グローバルファンドは、今回の増資準備会合でこの点を大きくハイライトしました。UHCや保健システム強化の推進に力をいれる日本との協力関係がますます深まることが期待できます。

グローバルヘルス分野の二つの国際会議が来年からG7議長国となる日本で開催されたたことは、来年5月のG7伊勢志摩サミット、9月のG7神戸保健大臣会合、ケニアで開催される第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)に向けて、また、来年予定されているグローバルファンド増資会合に向けて、重要な節目の機会となりました。


(注1)グローバルファンドの増資会合について

グローバルファンドは、 3年に一度、三大感染症対策に必要な資金額を算定し国際社会に呼びかけて資金を調達する。これを増資( replenishment) と呼び、そのプロセスは、各国が資金拠出を表明する「増資会合」とその数か月~1年前に開かれる「増資準備会合」の二会合から成る。

増資関連の二会合は通常ドナー国の回り持ちで開催され、 2013 年12月の第 4次増資会合は米国ワシントンで、5月の増資準備会合はベルギー開催された。今回の会合はアジアで初めて開かれたグローバ ルファンドの増資関連会合で、増資準備会合が次期G7議長国で開催されたのも初めてのことであり、過去に例をみないハイレベル会合となった。

(注2)ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)とは:
世界中のすべての人が生涯を通じて必要な時に適切な保健・医療サービスを負担可能な費用で受けられること。
もっと知りたい方は「UHC デー」のサイトをご覧下さい。