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世界マラリア報告書2014が発表されました

2014年12月9日
世界マラリア報告書2014が発表されました

国際保健機関(WHO)より、世界マラリアレポート2014(World Malaria Report 2014)が発表されました。マラリア蔓延国など世界からの報告や最新の分析結果をもとに、毎年12月に最新状況が公表されているものです。
グローバルファンドを初めとする国際社会のマラリア対策支援やマラリア蔓延国自身のコミットメントが増えたことにより、死亡率が大きく減少しています。


主なポイントは以下の通りです。

  • 2013年1年間の世界のマラリア罹患者数は1億9800万人と推計されます。同じく、2013年1年間のマラリアによる死亡者数は世界で58万4000人と推計され、そのうちの9割がアフリカでの死亡でした。
  • ただし、過去10数年にわたるマラリア対策の結果、以下のような顕著な成果が表れています。良質の薬、診断キット、蚊帳、室内スプレーなどが普及してきたことが功を奏しています。
  1. 2000から2013年の間に、マラリア罹患者数は世界全体で30%減少
  2. 2000から2013年の間に、マラリアによる死亡率は世界で47%減少し、アフリカでは54%減少
  3. アフリカでは、マラリアに感染した人の数が2000年の1億7300万人から2013年の1億2800万人に26%減少。アフリカ内でマラリア感染リスクがある地域の人口が同期間に43%も増加していることを考慮すると、アフリカでのマラリア罹患率は大幅に下がってきている。
  • しかしながら、必要な人すべてに予防、検査、治療のサービスが行きわたるにはほど遠く、また、特効薬であるアルテミニシンを使った薬剤に耐性を持つマラリアの発生が大メコン地域(タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー)で報告され始めていること、殺虫成分に対する耐性が多くの国で報告されていることなど、課題は山積しています。

WHOのマーガレット・チャン事務局長は、「私たちには、(マラリアとの闘いのための)すぐれた手段があり、防衛はうまく行きつつある。しかし、これまでに到達した成果を無駄にしないためには、この手段をもっと多くの人に届けなければならない」と述べています。

WHOニュースリリース(2014年12月9日)
Scale-up in effective malaria control dramatically reduces deaths

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