マラリア治療薬に関する新たな枠組みで1億ドルを節約へ

この記事の掲載日 : 2014年06月24日(火) この記事のカテゴリー :



sample-1世界基金から、マラリア治療薬の調達・供給に関して、製薬会社との間で新しい合意を結ぶことが発表されました。 マラリアによる死亡率が減ってきているのは、薬剤耐性をもつマラリアにも効果的なアルテミシニン多剤併用療法(ACT)が普及してきたことが大きく影響しています。途上国では、マラリアの薬は、公立の医療サービスで提供されるだけでなく、民間運営のクリニックや薬局で個人負担で買われることも多く、民間医療サービスの中に適切な形でこのACT薬剤が広く出回るようになり、人々がなるべく安価にこの薬にアクセスできるようになることが重要と言われています。

この枠組みでは、世界基金が製薬会社との間で長期的かつ大量の購入を契約し、ACTの出荷価格を下げることで、世界基金の各国に対する資金供与の中に、民間医療サービスでのACT薬価の一部を含めやすくなります。これによりさらに価格が下がることで、民間の医薬品卸売や薬局、民間病院が、古い薬剤ではなくACTを扱う動機付けとなり、最終的に、人々が質の高い薬をなるべく安価な価格で買うことができるようになる、というメリットが期待されます。詳しくは以下の和訳(仮訳)をご覧下さい。


世界基金プレスリリース(仮訳) 
2014年6月24日

マラリア治療薬に関する新たな枠組みで1億ドルを節約へ

ジュネーブ – 抗マラリア薬の調達方法を抜本的に変えるために、世界基金はアルテミシニン多剤併用療法(ACT)の薬剤供給について製薬会社との間で新たな枠組み合意を結ぼうとしている。薬が人々に届くまでの方法を改善し、Value for Money (訳注:支出に対して最も価値の高いサービスを供給すること)の面でも、より多くの人命を救うという意味でもより大きな成果をもたらすための合意である。英国国際開発省との緊密な協力のもとで、世界基金とそのパートナー機関は、ACTの調達における民間医療費共同負担メカニズムのための暫定資金を最大限活用する方法を生み出した。2年間にわたり薬剤の価格が下がることで、推定1億米ドル以上の節約をもたらす仕組みである。世界保健機関(WHO)、米大統領マラリア・イニシアティブ、ユニセフ、UNITAID、クリントン・ヘルスアクセス・イニシアティブ(CHAI)もこの枠組みに協調して調達を行うことになっている。

今回の合意により、世界基金と製薬会社9社との間で2年にわたり一定量のACTを購入する契約がなされる。資金的な恩恵に加え、この枠組みは薬剤調達予定をより明示化させ、医薬品配送率と薬剤市場の持続可能性を向上させる。また、現地生産を奨励することにもなる。

「大量の医薬品調達をより効果的に行うことで、より多くの人命が救われることになります」と世界基金のマーク・ダイブル事務局長は語る。「支出に対する最大の価値を出し、マラリア対策の成果を高めることができる素晴らしい事例です」

クリストファー・ゲーム最高調達責任者の指揮の下で、世界基金はエイズ・結核・マラリアと闘うために、より積極的な調達の手法を採用しようとしている。グローバルヘルス全体にも効果を反映させることができるよう、パートナー機関と工夫しながらその段取りを進めているところである。

たいていの場合、薬剤の長期かつ大量購入契約を進めることで、当該薬の生産見通し、在庫調整、生産能力向上、さらにはより競争力の高い価格設定が可能となる。さらに今回の調達方法によって、民間医療費共同負担メカニズムは効果を高めることができるようになるだろう。これまではAffordable Medicines Facility-malaria(AMFm:マラリア治療薬購入促進ファシリティ)として運営され、低所得国のマラリア患者に民間薬局や私立病院を通じ、高品質の抗マラリア薬を低価格で提供することを可能にしてきたメカニズムである。

この計画を進めるにあたり、世界基金の調達課は、時間をかけてACTの製造や化学的性質に関する理解を深めてきた。パートナー機関と協力し、マラリア対策に取り組むすべての組織が、より効果的に治療薬を届けられるようになるための戦略を練ってきた。

「このACT調達戦略は、価格変動や配送効率、マーケットの持続可能性などの面でこれまで行われてきた調達手法の欠陥を補うものです」とゲーム氏はいう。「製薬会社と長期的な関係を保ち、上手に組み合わされたアプローチを市場に提供することで、戦略的に投資を行い、世界基金の購買力を最大限活用して、支出に対する価値を高めていくことになります」

アルテミシニン多剤併用療法(ACT)はマラリア治療の中心となっている。マラリアの世界的な疾病負荷がこの数年、軽減されてきているのも、マラリア流行国におけるACTの普及に負うところが大きい。アフリカにおけるマラリアの死亡率は2000年当時と比べると、49%も低くなっているのだ。

世界のマラリア症例は年間約2億件と推定され、その80%はサハラ以南のアフリカで発生している。マラリアは蚊が媒介する感染症で、予防も治療も可能なのに毎年66万もの人が死亡している。しかも、その多くが5歳未満の子供である。マラリアの流行が深刻な国では平均余命が30歳というところもある。


 

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