トーク・セッション: ミス ユニバース 2007 森 理世氏が語る「世界中の同世代に気づいてほしいメッセージ」

  • 2010年09月12日
  • 東京・有楽町朝日スクエア

この記事の掲載日 : 2010年09月26日(日) この記事のカテゴリー :


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世界基金/マグナムフォト共同政策写真展「Access to Life 命をつなぐ」の会場に、9月12日(日)にミス ユニバース 2007の森理世さんを迎え、60人を超える参加者の方々とともに、スペシャル・ゲスト・トークを開催しました。お話いただいた概要は以下のとおりです。

スペシャル・ゲスト・トーク  ミス ユニバース 2007 森 理世氏が語る  「世界中の同世代に気づいてほしいメッセージ」

(写真提供:朝日新聞社)

森さんはまず、ご自身が高校の授業で初めてHIV/エイズについて知った時の経験を語った。「単に教科書に目を通すだけで、どのように感染して、どのような病気を発症し、どのような症状になっていくかを習うことはありませんでした」。HIV/エイズを知る上で向き合わなければならない性教育の問題は日本では学校教育の場では語られることが難しい現状がある。「ここはあまり聞いてはいけないことなのかな、自分で勉強する場面なのかなと思い、私の中で疑問と興味がわいたのをすごく覚えています」。

その後、カナダへの留学を経てミス ユニバース 2007になった後に、ミス ユニバースの活動の80%を占めるチャリティー活動の一つとしてHIV/エイズのスポークスウーマンに就任した。真っ先に高校の時のことを思い出した森さんではあったが、その時はHIVとエイズの違いさえわからなかった。活動を始める前に専門家からHIV/エイズについて習い、HIVの感染経路など、高校の時に疑問に、不思議に思っていたことを学び、またHIV感染者の多さに驚愕した。その時のことを振り返り「自分の知識のなさや経験不足に衝撃を受けましたね」と森さんは言う。

海外ではポップでフレンドリーで身近に感じるHIV/エイズの啓蒙・啓発活動が多い。スポークスウーマンとして様々な活動に参加する中で、NYでは自らHIV検査をして検査の受診を訴えたり、”エイズウォーク”に参加したりした。年に一回開催される”エイズウォーク”はお祭りのような雰囲気で風船や屋台が出たりして、それに引き寄せられてくる人々に意識啓発のパンフレットなどが配られる。それとは対照的に日本の活動は10代や20代にはまじめで、専門的すぎると感じるそうだ。「HIV/エイズは自分の守り方を知っていれば、防ぐことのできる病気です。ポップすぎず、まじめすぎない、日本の文化に合わせた、正しいHIV/エイズの知識、性教育の知識を伝えることが重要」と森さんは強調する。

HIV/エイズについての知識を得ることの重要性を述べるとともに、「大切なことは自分の目で見て、肌で感じて経験すること」と森さんは言う。14か月の任期中にスポークスウーマンとして世界中を回る中で森さんは、町の外れで共同生活を送るHIV感染者のコミュニティに住む母子感染した小さな女の子や、貧しさから騙されて売春宿に売られてHIVに感染した女の子、ベトナムでの薬物摂取行為によるHIV感染など、HIV感染者の過酷な現状を自ら足を運び目の当たりにすることになる。「母子感染した女の子に出会った時、この子が大きくなった時に世界はどうなっているのだろうと思いました。HIV/エイズは今では死につながる病気ではなく、薬をしっかり飲んでいけば助かる可能性が高いと言われています。それこそスポークスウーマンとしてもっと広めていかなければと思いました」。

スペシャル・ゲスト・トーク  ミス ユニバース 2007 森 理世氏が語る  「世界中の同世代に気づいてほしいメッセージ」

(写真提供:朝日新聞社)

NYでHIV検査を呼びかけた際に、それによってある女性が検査を受け、HIVポジティブであることがわかった時にはショックを受けた。しかし同時に、一人の言葉によって、一人の命をつなげることができた影響力を痛感した。「私だからというわけではなく、皆さんも影響力を持っているんです」。そして森さんは最後に「本日いらっしゃって下さった方には各自、3人の方に今日の出来事を伝えていただけたらと思います。一人が呼びかけることによって、大勢で世界を変えることが出来ます。ぜひ今日、お感じになったこと、お話ししたことを周りの方と共有して下さい」と、一人が世界を変えることができること、小さなことでも活動を実行することの大切さを訴えた。

 


森 理世

モデル / ダンス アーティスティック・ディレクター

MISS UNIVERSE世界大会優勝者。任期中の14ヶ月間はニューヨークを拠点に世界15カ国を巡り、AIDS/HIVのスポークスウーマンとして知識普及活動をはじめ、難病を抱える子供たちへの支援活動など様々なチャリティー活動に従事。

1986年生まれ。4歳よりダンスをはじめ、高校からはカナダへ留学しバレエ教師課程を修了。2007年、メキシコで開催されたミス ユニバース世界大会へ日本代表として出場し優勝。日本人としては48年ぶりのMISS UNIVERSEとなる。在任中は世界一のスポークスウーマンとして様々なチャリティー活動に従事。特にAIDS/HIVへの関心は中学生時代から「世界的な病気なのになぜ説明が半ページしかないのだろう」と疑問を持っていたこともあり、同世代へ正しい知識を伝えるために各国を奔走した。現在はモデルや自ら開校したダンススタジオで指導にあたるなど多岐にわたり活動しているが、平行して国内外でのチャリティーにも参加。スポークスウーマンとして海外の状況や文化、海外から見た日本など自身の経験をテーマに講演会やトークショーも行っている。


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