エイズ(AIDS)

AIDS

エイズ

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どんな病気?

エイズ(AIDS)とは、Acquired Immunodeficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群)の略で HIV(エイチアイブイ:ヒト免疫不全ウイルス)に感染することで起こる病気です。HIVに感染すると、身体を病気から守る免疫系が破壊されて、身体の抵抗力が低下し、様々な感染症や悪性の病気などにかかってしまいます。このような状態をエイズといいます。代表的な23の疾患が決められており、これらを発症した時点でエイズと診断されます。

どうやって感染するの?

HIVは感染した人の体液(とくに血液、精液、膣分泌液、母乳)に多く含まれます。
HIVが多く含まれたこれらの体液が人間の身体の粘膜(性器、口腔粘膜、目など)や血管に達するような皮膚の傷と接触し血液中にHIVが侵入することで感染が成立します。傷のない皮膚に守られた身体が上記の体液に触れても感染はしません。

感染が成立しやすい経路として、主に以下の3つの経路があげられます。

  1. 性的感染 (異性間・同性間の性的行為による感染)
  2. 血液感染 (輸血、薬物注射使用、医療従事者の針刺し事故などによる感染)
  3. 母子感染 (妊娠中の胎盤、出産時の産道からの感染、授乳による感染)

どうしたら防げるの?

体液と粘膜や傷ついた皮膚の接触を防ぐことが必要です。
HIV感染経路として最も多い性的感染の予防にはコンドームの使用が最も有効です。薬物使用者が注射器を共有することによる血液感染に対しては、感染リスクグループである麻薬常習者に向けて注射器を交換したり代替薬物を処方する、ハームリダクション(被害を低減させるという意)と呼ばれる取り組みが行われています。母子感染を防ぐには、妊娠初期のHIV検査の実施および、HIV感染が分かった場合には妊娠中からの治療、帝王切開による出産、人工乳(粉ミルク)による哺育などの対策が行われます。

どうしたら治るの?

以前は死の病と恐れられていましたが、1990年代後半に抗レトロウイルス薬(ARV)が開発されて以来、感染を早期に発見し適切にARVを服用すれば、HIVの増殖を抑えることでエイズの発症を防ぐことができるようになっています。感染しても、他の慢性疾患のように定期的な通院と薬の服用で長期にわたって普段と変わらない生活を送る人々がたくさん存在します。しかし、HIVを完全に体内から取り除く薬は未だ開発されていないため、生涯にわたり薬を飲み続ける必要があります。

ただ、世界的に無料のARVは出回るようになってきたものの、発展途上国では治療が必要なHIV感染者が様々な理由により(経済的困難、社会の偏見、医療サービスの不十分さなど)ARVを受け取ることができず、エイズで亡くなる患者は未だ多いのが現状です。

どのくらい広がっているの?

エイズは20世紀後半以降に発生が確認された新興感染症の中で唯一パンデミック(世界的大流行)のレベルに達し、いまなお、そのパンデミックが続いている感染症です。感染者数は全世界で約3,670万人(2016年現在)、うち3分の2はサハラ以南アフリカに集中しています。治療の拡大により、エイズによる年間死者数は2000年代半ばの190万人をピークに減少しており、2016年の死者数は約100万人でした。2015年6月の時点で、およそ1580万人のHIV陽性者が抗レトロウイルス治療を受けています。

日本での広がりは?

日本におけるHIVの流行は諸外国に比べると小さいものの、主な先進国では新規感染者数の減少が続く傾向とは対照的に、2008年をピークに横ばい状態を続け毎年約1,000件前後の感染が報告されています。また、2016年には新規HIV感染者/新規エイズ患者の累計報告件数は約2.7万件に達しています。1985年以来エイズ患者報告数は緩やかな増加傾向が続いており、多剤併用療法が国内で広まった後でも報告数が減らないことは、日本で早期発見・早期治療が遅れていることを示しています。